住まい・不動産

人生120年時代の住宅事情 80代で「自宅が寿命、賃貸にも入れない」問題

自宅の“寿命”も一緒に延びるとは限らない(イメージ)

自宅の“寿命”も一緒に延びるとは限らない(イメージ)

 健康に長生き出来れば、こんな幸せなことはない──誰もが信じてきた常識が崩れ去りつつある。医療進歩により、人生100年時代はおろか、人生120年時代の到来を予測する専門家も登場しているが、そこに待つのは幸せな未来とは限らない。仕事、年金、医療……悩みのタネは尽きないが、「住宅」も大きな問題だ。

 自分が長く生きれば、当然ながら身の回りにあるモノも“老いて”くる。人生120年時代になることで多くの人が直面すると予想されるのが、「住宅」の老朽化問題だ。すでに、亡くなった親から相続したものの誰も住まずに朽ちていく「実家の処分」問題が各地で起きているが、今後は自身が住む家が老朽化して、「住み替え」が必要となるケースも想定される。

 不動産コンサルタントの長嶋修氏は「80~90歳になる頃に、自宅の寿命が来ることが多いと考えられる」と指摘する。

「一般的にマイホームを購入する平均年齢は36~37歳と言われています。もちろん住宅の寿命は物件によって大きく変わりますが、平均的なところでは50年程度と想定され、現在の平均寿命で考えれば自身が死ぬ頃にマイホームも寿命を迎えることになる。

 現在60歳以上の人の持ち家率は80%を超えており、住み続けるために新築後20~25年くらいで床や壁、天井をリフォームしている現状を踏まえると、人生120年時代にはさらに多くのリフォームが必要となります」

 その際には、外観や内装の“表面的”なリフォームでは済まないという。

「築20~25年の家をあと数十年もたせようと考えたら、耐震性を増すための工事や床下のシロアリ対策が必要です。内部も壁紙やキッチン設備を新品に入れ替えるだけでなく、もっと“根本的な部分”を見直さなければもたないでしょう」(長嶋氏)

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