投資

【日本株週間見通し】日米主要企業の決算本格化 GW中の調整にも警戒

 今年は年始から金融引き締めがひっきりなしに話題に上がり、折に触れ「(引き締めについては)もう十分に織り込んだ」と言われてきた。しかし、実際は全くそうなっていない。市場は事あるごとに何度も、タカ派化するFRBに追随する形で後追いでの修正を迫れており、結局「もう織り込んだ」がほとんど通用していない。また、今回のFOMCは日本のGW中に開催されるため、身動きが取れない空白リスクを嫌って、休暇入り前には手仕舞い売りなどが出やすい。相場の深押しリスクには留意しておきたい。

 一方、今の相場の取引参加者のほとんどは短期目線で、中長期目線の投資家はほぼ様子見状態だ。これまで同様、一方的に一方向に傾くことも少なく、基本的には大きく動けば、その翌日には大きく元に戻す展開が多いだろう。そのため、FOMC、連休入り前に手仕舞い売りが嵩んだ場合には、むしろ、FOMC通過後には、短期的なあく抜け感で相場が上昇する可能性も考えられる。ただ、FRBの政策スタンスを完全に織り込めない状況が続くなか、持続的な株価上昇は見込みにくいだろう。東京市場でFOMCの結果を織り込むのは週末6日で、この日の晩には米雇用統計が控えていることもあり、積極的な押し目買いが入りにくいことも想定される。

 難しい相場環境のなか、イベント前に無理してポジションを持つ必要はないだろう。折しも、日米ともに主要企業の決算発表が本格化してくる。FOMC結果と同時に、決算内容を見極めてからでも遅いことはないだろう。投資家には慎重な対応を求めたい。

 今週はファナック<6954>やキーエンス<6861>、アドバンテスト<6857>など注目企業の決算が多い。先週の日本電産<6594>などの株価反応を見る限り、ハードルは低そうだが、トレンドが転換するほどの持続的な買いは期待しづらく、内容とその後の株価反応をじっくりと見極めた方がよいだろう。

 米国でも注目決算が目白押しだ。今週はアルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾンのいわゆる“GAFAM”と呼ばれる大型テック企業の決算が予定されている。先週は動画配信サービスのネットフリックス株の急落が市場センチメントを大幅に悪化させた。前四半期決算(21年10-12月)時には、2月に決算を発表したメタが今回のネットフリックス株と似たような急落劇を見せ、“メタショック”を引き起こしたが、今回も仮にメタショック第2弾が放たれるようなことがあると、足元弱気に傾いている相場の更なる深押し要因となりかねないため、注意深く見守りたい。

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