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コロナ禍の過剰飲酒で苦しんだ30代女性の告白 アルコール依存から脱却する方法は?

通勤中の電車で尿もれするときもあったという(イラスト/大窪史乃)

通勤中の電車で尿もれするときもあったという(イラスト/大窪史乃)

 しかし、毎日出勤する生活に慣れて筋力もつき、お客さまから感謝されたり、チームの一体感が感じられるようになると、孤独と不安がなくなったのか、アルコールから自然に遠ざかることができたのです。労働はいちばんのリハビリだと実感。

 いまは仕事の後のビール1杯で満足。あのまま外出自粛が続いたら、命を落としていたのではないかと思います。(38才・会社員女性)

女性の方が酒に弱く依存しやすい

「体の構造的に、女性は男性よりアルコール代謝が悪いんです。少量の酒でも体内に長く残るため、アルコール依存に陥りやすいと言えます」とは、アルコール低減外来の専門医・吉本尚さんだ。

 生活習慣病のリスクを高める酒量は、女性で純アルコール1日20g。これはビール500ml程度に相当する。厚生労働省の2019年『国民健康・栄養調査』によると、この量を日常的に摂っている人の割合は、男性が約15%、女性は約9%。男性は減少傾向だが、女性は増加しており、特に50代が16.8%と最も高い。

「アルコール依存症の男女比は10対1とされますが、私の患者さんの場合、10対3です」(吉本さん・以下同)

 特にコロナ禍ではストレスが原因で酒に手を出す人が増えている。

 アルコールは適量ならば害は少ない。なぜ度を越して飲んでしまうのだろうか。

「アルコール依存を引き起こす要素として、空腹、怒り、不安、孤独、疲労の5つが挙げられます。これらの要素が1つでもあると、やめたいと思っても手が伸びてしまうのです。酒量や飲む時間がコントロールできなくなり、そのせいで、家事や仕事に支障をきたす、体調が悪いなど、社会生活が困難になると、依存症を患っていると言えます」

 アルコール依存になる人は、真面目な人が多いという。飲んでいる自分を恥ずかしいと思っているため、誰にも相談できずに孤独に陥り、酒量が増えていく。

「アルコール依存の治療は、つい飲んでしまう自分を認めてもらうことから始めます」

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