中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「案外、困らないものですね…」携帯電話をなくした40代男性の思わぬ気づき

失ったのは「音声の連絡手段」だけ

 私自身、積極的に誰かとコミュニケーションを取りたいとも思っていないので、まぁ、「ワシにアクセスしたい方は何らかの方法で連絡頂戴ね」ぐらいのゴーマンな感覚でいるのですが、本当に携帯電話がなくなっても困ることがほとんどない。

 あと数日、携帯電話がない状態が続きますが、意外と平気そうです。そもそもスマホじゃなかったから、普段からキャッシュレス決済も使ってないし、携帯に依存する生活を送っていなかった。今回、失ったのはほぼ「音声の連絡手段」だけです。

 もし同じような立場になったら「すぐに繋がる連絡手段がなくては困る!」と考える人もいるかもしれませんが、本当に必要な連絡があるなら、いざとなったら電報でもなんでも使って、どうにかして伝わるものです(そもそも、本当に必要な連絡はそんなに多くない)。

 ちなみにこの間、仕事に関しては、PCメールがあるので滞りなく進んでいます。正直、私のような48歳のフリーランスであまり新規業務も増やしたくないような人間にとっては、電話はそこまで重要なものではないのかもしれません。じゃあ、解約すればいいじゃん、と思われるかもしれませんが、そうはいっても「本当に困った人から本気の連絡が来る」こともあるので、そこに対しては真剣に対峙したい。

 今回わかったのは、「アクセス方法の一部がなくなろうが、その他のアクセス方法もあるので、仕事はなんとかなる」ということ。望んでこうなったわけではありませんが、携帯なしの生活も、案外悪くないです。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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