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「エアドロ痴漢」「フィッシング詐欺」…スマホ犯罪から身を守るためにすべきこと

【CASE3】個人情報の特定

 インターネット上のコミュニティーサイトで、さまざまな情報が発信できる「SNS」(ソーシャルネットワーキングサービス)。日本の利用者は年々増えており、2022年末には8270万人(普及率82%)に達する見込みだ(※ICT総研『2022年度SNS利用動向に関する調査』より)。

 神奈川県の会社員・Mさん(31才)も、SNSに日々の出来事を投稿して楽しんでいたひとりだ。あるとき、家族で台湾に行くことを投稿。ところが、帰国したMさんに衝撃の事実が待っていた。旅行中に空き巣が入ったのだ。

 空き巣を招きいれた原因は、SNSの投稿にあると佐々木さんは言う。

「“これから旅行に行く”と投稿することは、家を数日留守にすることを全世界に公表することなんです」(佐々木さん・以下同)

 その後捕まった犯人によると、Mさんの投稿を細かくチェックしており、よく行く公園、夫の勤務先、子供の幼稚園まで特定されていたという。

「いまは、ターゲットの行動パターンや生活圏など、SNSを見れば簡単に特定できます。そのため、ネットストーカーの被害も増えています」

 また、京師さんもSNS投稿の危険性についてこう言う。

「写真の背景を画像検索にかければ自宅などの場所を特定できます。SNSに写真をアップする際、写真内にGPS情報(位置情報)が残っていた場合も、場所の特定はされてしまいます」(京師さん)

 犯罪者はSNSを情報の宝庫として注視しているのだ。

「SNSに情報を発信する際は、個人の情報につながるものは一切上げない、“旅行に行ってきた”など、行動はすべて事後報告にするなどして、注意してください」(佐々木さん)

【プロフィール】
武山知裕さん/ニュースサイト『Security NEXT』編集長。大学在学中から、コンピューター専門誌の編集者を務める。ウエブ媒体の編集者、ライターなどを経て2004年セキュリティー情報サイトを立ち上げる。著書に『個人情報そのやり方では守れません』(青春出版社)。

京師美佳さん/防犯アドバイザー・犯罪予知アナリスト。錠前の資格取得、2002年防犯設備士取得。2005年に『京師美佳セキュア・アーキテクト』を設立。2009年に一般社団法人全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事に就任し、講演・テレビ・雑誌など多方面で防犯の啓蒙活動を展開中。

佐々木成三さん/犯罪評論家。元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補。 デジタル捜査班の班長として、デジタル証拠の押収・解析を専門とし、携帯電話の精査・各種ログの解析を行っていた。 主な著書に『あなたのスマホがとにかく危ない』(祥伝社)など。

取材・文/川辺美奈子

※女性セブン2022年9月8日号

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