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梅宮アンナが語る相続の苦労 父・辰夫さんが書いていたのは遺言書ではなくレシピ本だった

梅宮アンナ(=右)は、相続の手続きは大変だったものの、「愛おしくて楽しい時間だった」と振り返る(左は母・クラウディアさん、中央は父・辰夫さん。撮影/小倉雄一郎)

梅宮アンナ(=右)は、相続の手続きは大変だったものの、「愛おしくて楽しい時間だった」と振り返る(左は母・クラウディアさん、中央は父・辰夫さん。撮影/小倉雄一郎)

 遺言書がないことで、相続手続きに苦労する人は少なくない。2019年末に亡くなった梅宮辰夫さん(享年81)の娘・アンナ(50才)も、やはり父の遺言書がなかったため、相続手続きが大変だったという。

「不動産も預貯金も車も、すべての財産が父名義でした。生前に“ある程度のお金を母か自分の口座に移してほしい”と頼んでも、“おれの金が欲しいのか”と、応じてくれなかった。病気で弱っていて、元気だった頃の優しい父とは人が変わったようでした。母と一緒に遺言書を書くようにお願いしたら、父はせっせと書き物をしていました。てっきり遺言書を書いていると思ったら……お料理のレシピ本だったんですよ」(アンナ・以下同)

 料理好きで知られる梅宮さんならではだが、結局、遺言書が残されることはなかった。著名人ゆえに、訃報は直ちに銀行の耳にも入り、口座はすぐに凍結されてしまう。

「住民票や戸籍は、銀行口座以外にも、携帯電話の解約など、いろいろな手続きに必要でした。区役所には50回以上は通いました。一度に5枚、10枚と申請しても、すぐになくなってしまうんです」

 辰夫さんとアンナが親子であることは、日本中の人が知っている。それでも、法的に親子であることを証明する書類を集めなければならなかった。

 ただ、相続の手続きに振り回されて悲しみに暮れる暇がなかったことはある種、救いになった。

「遺言書があったら、こんなに大変な思いをすることはなかった。でも、いまとなっては、遺言書がなかったからこそ“天国のパパが喜んでくれるためにはどうすればいいか”を考えて行動できたと思えます。相続を通して、これほど父のことを考えて過ごしたのは初めて。本当に大変だったけど、愛おしくて、楽しい時間でもありました」

 遺言書がないまま亡くなると、残された人は悲しむ暇もなく、相続手続きに駆けずり回ることになる。アンナにとってはその時間が、逆にかけがえのない時間でもあったようだ。

※女性セブン2022年9月22日号

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