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安倍氏国葬、香典の扱いはどうなる? 辞退要請でも税金から香典が出された前例あり

1991年、山口県での安倍晋太郎氏の県民葬(写真/共同通信社)

1991年、山口県での安倍晋太郎氏の県民葬(写真/共同通信社)

 地方自治体も香典を支出していた。大村秀章・愛知県知事は「知事交際費」から安倍氏に3万円の香典を出した。

 同県がホームページで公表している知事・副知事の交際費の執行状況に、〈7月11日 安倍晋三元首相 本人 香料〉として3万円支出の記録がある。

 7月11日は安倍氏のお通夜が行なわれた日だが、東京の芝・増上寺で営まれた安倍氏のお通夜と家族葬では、香典と供花は受け取ることが発表されていた。愛知県秘書課はこう説明する。

「大村知事の代理の者が安倍元首相の葬儀に出向いた際に、香料として3万円を納めました。その時の支出です」

 中村時広・愛媛県知事も7月11日に安倍氏の葬儀に「香典」1万円と8月3日には「供花」1万6500円を知事交際費から支出していることがホームページで確認できた。

「安倍元首相の葬儀当日は、知事は別の公務があったので、県の東京事務所長が代理で参列し、香典はその場で供した物です。供花代については葬儀当日にお花を出して、花屋から請求が来て8月3日にお支払いした」(愛媛県秘書課)

 また安倍氏の場合、国葬の後も、地元・山口県で盛大な「県民葬」(10月15日)が営まれる。

 主会場は地上153メートルのタワーを備える大規模コンベンション施設「海峡メッセ下関」やサテライト会場は812席の県立劇場「ルネッサながと」など県内6か所に一般献花会場が用意される。招待する参列者は台湾の関係者など2000人を予定している。

 主催は山口県や県議会、市長会、自民党県連などで葬儀委員会が組織され、安倍家も加わる。

 予算は警備費用を含めて6300万円。安倍氏の父・晋太郎氏(元自民党幹事長)の県民葬の2倍で、過去最大の予算だ。「県が半額程度を負担する方向」と説明されているが、県は9月議会の補正予算案に6300万円全額を計上する方針だ。

 これも税金で営まれるのである。

※週刊ポスト2022年9月30日号

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