キャリア

楠木建氏が説く“絶対悲観主義”の仕事論「仕事は思い通りにならない人に向けてやるもの」

楠木建さんの新刊『絶対悲観主義』

楠木建さんの新刊『絶対悲観主義』

 読書家で、歴史への関心も深く、これまでに膨大な数の本を読んできた。その中で心に残った「痺れる名言」を紹介する一章が設けられているほか、「失敗は裏切らない」「記憶こそ人間の最大の資産」「健康問題は教養問題」「新聞雑誌は寝かせてよめ」といった、楠木さんオリジナルの「名言」も、数多くちりばめられている。

「ぼくが興味あるのは、人間と社会です。人間が構成する社会に強い興味があるから、その一つの表れとして歴史に興味があります。未来予想と違って確定した事実ですから、人間と社会について考えるときに重みがあるんです」

【本の内容】
 本書の章タイトルには「絶対悲観主義」「幸福の条件」「健康と平和」「お金と時間」「自己認識」「チーム力」「友達」など、興味深く身近な言葉が並ぶ(全14章)。ビジネスへの姿勢を綴りながら、文章はユーモラスで、重い荷物を下ろしたような軽やかな心持ちになる。例えばこんな感じ。《ご安心ください。何も「自分に厳しい」わけではありません。僕は他人にはわりと甘いほうですが、自分にはもっと甘いタイプです。成功しなければならないという呪縛から自分を解放する。厳しい成果基準を自らに課さない。自分に対して甘い人ほど、絶対悲観主義は有効にして有用です》。

【プロフィール】
楠木建(くすのき・けん)/1964年東京都生まれ。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。一橋大学イノベーション研究センター助教授、ボッコーニ大学経営大学院(イタリア・ミラノ)客員教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授などを経て、2010年より一橋ビジネススクール教授。著書に、「ビジネス書大賞2011」大賞を受賞し30万部を超えるベストセラーとなった『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』のほか、『「好き嫌い」と経営』『戦略読書日記』『室内生活 スローで過剰な読書論』『逆・タイムマシン経営論』などがある。

取材・構成/佐久間文子

※女性セブン2022年10月27日号

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