閉じる ×
投資

2023年は大型株に期待 三菱重工業、IHI、日立製作所、三井不動産などに注目

経済のプロたちが注目する2023年の投資先は?(イメージ)

経済のプロたちが注目する2023年の投資先は?(イメージ)

 世界情勢が混乱を極めるなか、低迷を続ける日本経済に復活の兆しはあるのか。インフレや増税、さらには利上げなど、懸念材料は多いが、果たして2023年は“失われた30年”を取り戻すターニングポイントになるのか。株式評論家の植木靖男氏、武者リサーチ代表の武者陵司氏、不動産コンサルタントの長嶋修氏が話し合った。【全3回の第3回。第1回から読む

 * * *
植木:2023年の金融市場を読み解くうえで、気になるのが、やはり金融政策を司る日銀の総裁人事。

武者:おっしゃる通り。2022年末に事実上の利上げに踏み切りましたが、2023年4月の黒田総裁の退任によって金融政策がどう変わるのか、市場の注目度は高い。2%のインフレが定着し、いずれ日本の長期金利も上昇していくでしょう。となれば、金利が低い今のうちに借金をするなど、リスクを取ろうという動きが強まるのではないか。

 日銀に余裕があるのは、かつてのように円高にも極端な円安にもならないので、為替に配慮する必要がないからです。

 ただ、あまりに急激な円安になれば、巨額の為替介入も考えられます。仮に日本政府が保有する170兆円規模の米国債を一気に売るような状況になれば、直ちに50兆円ほどの為替差益が出て、日本にはものすごい余剰資金が生まれる。アメリカも急激な為替変動は好まないはずだから、容認せざるを得ないはずです。この「外貨準備高」は、使い方次第で何でもできる“打ち出の小槌”なんです。懐にそれほどの余剰がある国は世界中どこにもないから、うまく使えば日本は劇的に変わる。

植木:その一方で巨額の資金が日本株に流れ込み、かつてのバブルのようにマーケットの流動性が増すと、小型株では受けきれず、大型株に買いが集中します。そうなると注目は、三菱重工業とIHI。増額される防衛費関連でもありますが、それ以外に水素など再生エネルギーを手がけているのが買い材料。大型株では日立製作所も要注目です。

武者:失われた30年の裏返しで考えれば、ハイテク関連の復活はもちろん、インバウンド関連にも目を向けたい。日本の観光資源は世界でも圧倒的で、大きなリバウンドが期待できます。異常に割安だった資産価格の見直しに伴って、不動産や金融関連も期待できます。

植木:私はハイテク株の上昇はあと1~2年で終わると見ていて、その次は、やはり不動産株。大型株なら、三井不動産、三菱地所、住友不動産は外せない。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。