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NISAを始めるなら「2024年の改正後がいい」という誤解 現行制度にもメリットは十分

2024年に開始する「新しいNISA」。まだNISAを始めていない人はどのように考えるべきか

2024年に開始する「新しいNISA」。まだNISAを始めていない人はどのように考えるべきか

 2024年から「NISA」(少額投資非課税制度)が改正される。新たなNISA制度に注目が集まっているが、2023年に活用可能なのは、“現行のNISA制度”だ。まだNISAをやっていない人は、2024年まで待ったほうがよいのか、それとも今年中に始めたほうがよいのか──。『今すぐはじめられる NISAとiDeCo』の著書があるファイナンシャルプランナー・社会保険労務士の川部紀子さんが、その活用法や注意点について解説する。

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 2024年1月からのNISA大改正が話題になっています。私たちの業界や個人投資家の間では「岸田政権最大の功績」とも言われているほどの盛り上がりです。「新しいNISA」についてはすでに各種メディアで解説が繰り広げられているので、まずは「今年のNISA」について考えていただきたく、まだ始めていない人向けに改正前のNISAについて解説していきます。

 新NISAがすごくいいと噂なので「来年から始めよう」と思っている方はいらっしゃいませんか? もしそうだとしたら、今年1年がもったいないと思います。関心があり、そのうちやろうという気持ちがあるなら、少しでも早いうちに始めることをおすすめします。

NISAは何がお得なのか

 銀行口座の通帳記入をした時のことを思い浮かべてください。時々少しの「利息」が入っていますよね。この「利息」ですが、実は20.315%の税金が差し引かれた後のもの。この国では、預貯金の利息や投資の儲けが出ると、その中から20%の税金が差し引かれるルールになっています。まず、大前提としてこの知識が必要です。

 預貯金は利息が少なく、20%ほど引かれてもさほど変わらないからどっちでもいい、と思うかもしれません。それは、まさにその通りです。でも、投資であればどうでしょう? 例えば、投資した金額がプラス10万円になったとします。増えた10万円から20%の2万円が引かれるか引かれないかでは大きな違いですよね。NISAは「この税金がかかりません」という特典を受けられる制度なのです。制度の名称なので「NISAを買う」ことはできません。「NISAをやっている」というのは、NISA制度を活用して投資をしている、ということです。

 正式名称は「少額投資非課税制度」と言い、元々はイギリスのISAという制度に倣ってNIPPONのNを付けて「NISA」という愛称となりました。

 説明のための例として預貯金の利息を挙げましたが、「少額投資非課税制度」というだけあって、NISAはあくまでも「投資」だけの制度です。また、少額という言葉は人それぞれのものだと思いますが、「上限額」があるという意味だと理解してください。

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