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1997年、韓国はなぜ経済破綻したのか? 韓国映画から読み解く「アジア通貨危機」の本質

(c)2018 ZIP CINEMA, CJ ENM CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED (DVD発売中。発売・販売:ツイン)

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 1997年の韓国で、実はこのようなことが起こっていた、ということを主張したいわけではない。しかし上に書いたようなことはやろうと思えばできないわけではない。そしてやろうと思えばできないわけではないと知れば、やってみようかと思う者は必ず出てくる。そのくらい借金による支配は魅惑的なのではないか、と僕は考えている。

 試しにGoogleで「Indonesia Suharto Camdessus IMF」と打ち込んで画像検索してみてほしい。IMFのカムドゥシュ専務理事が、インドネシアのスハルト大統領が文書に署名するのを、腕を組んで見下ろしている写真が並ぶ。 大統領がサインしているのはインドネシアの従来の経済運営を一気に自由化させようとするプログラムなのだから、降伏文書にサインをさせられているように見えてしょうがない。たまたまそのように写った一枚かもしれないが、「借金させて支配する」構造が透けて見える一枚でもある。

【プロフィール】
榎本憲男(えのもと・のりお)/1959年和歌山県生まれ。映画会社に勤務後、2010年退社。2011年『見えないほどの遠くの空を』で小説家デビュー。2018年異色の警察小説『巡査長 真行寺弘道』を刊行し、以降シリーズ化。『DASPA 吉良大介』シリーズも注目を集めている。近刊に真行寺シリーズのスピンオフ作品『マネーの魔術師 ハッカー黒木の告白』、『相棒はJK』シリーズの『テロリストにも愛を』など。近刊に『アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿』がある。2015年に発表され話題となった、3.11後の福島の帰宅困難地域に新しい経済圏を作る小説『エアー2.0』の続編『エアー3.0』は文芸誌『STORY BOX』1月号より短期集中掲載されている。

  

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