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ソニーグループ・社長交代で“吉田・十時のツートップ体制”に 待ち受ける大きな課題

ソニーグループは吉田憲一郎・会長(左)と十時裕樹・社長の「ツートップ」体制に(時事通信フォト)

ソニーグループは吉田憲一郎・会長(左)と十時裕樹・社長の「ツートップ」体制に(時事通信フォト)

 ソニーグループは、4月1日に社長が交代することを発表した。吉田憲一郎会長兼社長(63)が代表権を持つ会長となり、十時裕樹副社長(58)が社長に昇格する。『経済界』編集局長の関慎夫氏が言う。

「吉田氏は、2011年度に過去最大となる4550億円の赤字を出したソニーを、前社長の平井一夫氏と二人三脚でV字回復に導いた立役者です。平井社長時代、吉田氏はCFO(最高財務責任者)として改革を支え、2017年度には20年ぶりに過去最高益を更新させました」

 その吉田氏からバトンを受け継ぐ十時氏も、主に財務畑を経験してきた。十時氏は1987年に入社後、ソニー銀行代表取締役、ソネットエンタテインメント(現ソニーネットワークコミュニケーションズ)副社長を歴任。吉田氏とともに本体に呼び戻された後は、スマートフォン事業のトップも務め、2018年からは専務兼CFO、2020年から副社長として吉田体制を支えた。

営業利益は1兆円を突破

 吉田・十時のツートップ体制となるソニーについて、ジャーナリストの大西康之氏はこう言う。

「吉田氏は2018年の社長就任から5年間で、エレクトロニクス中心の事業構造からゲーム、映画、音楽、半導体、金融を加えた6事業を柱とする構造転換を果たしました。特にゲーム事業においてコンテンツ資産で稼ぐビジネスモデルを確立し、さらに金融、保険を中心としたプラットフォーム企業としてのソニーを完成させた。

 結果、2022年3月期には営業利益が初めて1兆円を超えています。吉田氏、十時氏ともネットビジネスの基盤を提供する新生ソニーのトップに相応しい人物です」

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