プラチナNISA導入となれば、高齢者の資産運用が多様化する
高齢化が進む中、老後資金の確保がますます重要なテーマとなる。いま、65歳以上の高齢者向けに「プラチナNISA」という新しい制度が検討されているというニュースが話題だ。これまでのNISA(少額投資非課税制度)とどう違うのか、どのような特徴があるのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第143回は、「プラチナNISA」について。
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日本では高齢化が進む中、老後資金の確保がますます重要なテーマになっています。そんな中、「プラチナNISA」という高齢者向けの新しい制度が検討されているというニュースが話題になっています。
なぜ高齢者向けのNISAが必要なのか?
現行のNISAは、若年層を中心とした長期的な資産形成を支援する制度です。しかし、すでにリタイアした高齢者にとっては、「これから資産を築く」というよりも、「今ある資産をいかに活用・保全するか」が大きな課題です。
こうしたニーズに対応するかたちで、金融庁は高齢者の生活設計をサポートする新たな制度として、「プラチナNISA」の創設を検討しています。
「プラチナNISA」ってどんな制度?
「プラチナNISA」は、65歳以上の高齢者を主な対象として検討されている少額投資非課税制度で、2026年度の税制改正要望に盛り込まれる予定です。
主な特徴は、毎月分配型の投資信託を対象に含める方向で検討されていることです。これは、年金と合わせて毎月の生活費の補填にしたいという高齢者のニーズを意識したもの。現行のNISAでは毎月分配型商品は対象外でしたが、方針転換が見込まれています。
また、既存のNISA口座で保有する資産を、毎月分配型の投資信託へスイッチング(乗り換え)できる制度も検討されており、利便性の向上が期待されます。