三井不動産が手掛ける築地の再開発事業イメージ(公式ホームページより)
日本の経済界において長い歴史を持つ三菱、三井、住友の三大財閥グループ。さまざまな企業を抱える三大財閥だが、潤沢な資金力とブランドを武器にグループを支える一大事業として展開されてきたのが不動産だ。足元で歴史的な価格高騰を見せる都心でどのような戦略を取っているのか――。
賃貸主体の住友商事はオフィス需要好調が追い風
国土交通省が発表した今年1月1日時点の公示地価は、全国平均で前年比2.8%上昇し、平成バブル期以降最大の伸び幅を記録した。東京圏は同5.7%の上昇で、全体を押し上げた格好だ。
国内外の投資マネーが大量に流れこんでいるが、バブル期と違うのは実需が伴う点。オフィスビルには海外投資家や企業からの引き合いが多く、賃料高騰にもかかわらず、オフィス仲介大手の三鬼商事によると、都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の空室率は2%台と需給が逼迫している。
こうした環境のなか、好調が続く不動産デベロッパーの業績上位を占めるのが財閥系だ。
財閥系不動産の都心再開発競争
特に2025年3月期決算で営業利益全体の7割を「賃料収入」で稼ぐほど賃貸事業に特化した住友不動産の純利益は、売上高では三大財閥系で2位の三菱地所を3年連続で超える見通しだ。
不動産ジャーナリストの千葉利宏氏が言う。
「住友不動産はすぐに収益に繋がらないような事業への先行投資には消極的で、無駄なことをしないのが特徴と言えます」

