有明には納車を控えるテスラ車がずらり(筆者撮影)
社員が注文料を自ら支払ってはキャンセルして受注実績を積み増す“自爆営業問題”を本誌・週刊ポスト(2026年3月20・27日号)が報じた、電気自動車のテスラジャパンが再び混乱に陥っている。手厚い補助金をバックに「世界で最もテスラが安い街、東京」などと宣伝し、注文が殺到。しかし、納車の現場では事故やトラブルが相次いでいるという。煌びやかな高級車のイメージの裏に何が――自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏がレポートする。【前後編の前編】
販売台数の激増に納車作業の人員が追い付かない
2025年、テスラは日本国内で1万台超という史上最高の販売台数を記録。今年も6月に前年比約3倍となる約4000台の販売台数をマークし、上半期だけで昨年の販売台数を超える勢いを見せる。
絶好調の最大の要因とされるのが電気自動車への購入補助金の存在だ。
「近年、国の『CEV補助金』(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)が大幅に増額され、今年からはテスラの主要グレードで127万円が補助されます。さらに自治体独自の制度を加えると補助金が200万円を超えるケースもあり、販売増の追い風となっています」(業界関係者)
一方、顧客にとって待ち遠しいはずの納車で大混乱が起きている。
【プロフィール】
加藤久美子(かとう・くみこ)/自動車生活ジャーナリスト。山口県下関市生まれ。大学在学中に国産車ディーラーで納車・引き取りのアルバイトに明け暮れ、卒業後、日刊自動車新聞社に入社。1995年からフリーに。『くるまのニュース』『ニューモデルマガジンX』『ベストカー』などの自動車メディアのほか、週刊誌に寄稿。年間約300本の自動車関連記事を執筆している。
※週刊ポスト2026年7月24・31日号
