湾岸エリアの勝どき駅の周辺にはタワマンが立ち並ぶ(写真:イメージ)
東京23区の中古マンション価格は高騰を続けてきたが、その勢いにも変化の兆しが見え始めている。不動産調査会社・東京カンテイによると、東京23区の中古マンションの平均希望売り出し価格は6月、2年2か月ぶりに下落した。急ピッチで値上がりしてきた都心部で価格を見直す動きが広がったことに加え、実需層の手が届きにくい高額物件が増えたことで、高値での売却を期待していた投資層の需要にも陰りが見え始めているという。
こうした局面では、これまで以上に「どの街を選ぶか」が重要になる。不動産マーケット分析を専門とするLIFULL HOME’S総研の副所長兼チーフアナリスト・中山登志朗氏に、街をどのような視点で評価するべきかの考え方を聞いた。
ランキングが映し出す「都心回帰」
マネーポストWEBで注目を集めてきたのが、2035年の予測人口をもとに駅ごとの人口増減をランキング化したデータだ。ランキングの基礎となるのは、国土交通省のシンクタンク・国土技術政策総合研究所が2024年に公表した「将来人口・世帯予測ツール」。不動産コンサルタント会社・リーウェイズは、5億件の物件データを活用して不動産の市場価格をAIで分析する企業で、このツールを基に全国の駅ごとの人口増減予測をまとめた。2025年と2035年の推計値から10年後の人口増減を駅ごとに算出しランキング化しており、人口増減は不動産価格に大きく影響すると考えられることから、「10年後に不動産価格が上がる駅/下がる駅」ランキングとしてマネーポストWEBでは紹介してきた。
「このランキングを見ると、都心近くの住宅地や職住近接を実現しやすいエリアでは人口が増え、それ以外のエリアでは減少が進んでいることがわかります。かつては『ドーナツ化現象』と呼ばれるように都心から郊外へ人が流れていましたが、いまは都心回帰が進み、『スポンジ化現象』ともいわれています。このランキングは、その流れを浮き彫りにしています」(以下、「」内は中山登志朗氏のコメント)
ランキング上位には、いくつかの共通した特徴が見られる。1位の勝どきは2025年から2035年にかけて6243人(12.9%)の人口増加が見込まれ、2位の月島、5位の豊洲と、湾岸エリアの駅が上位に並ぶ。また、4位の白金高輪、9位の市ヶ谷、17位の麻布十番など都心部の駅も目立つ。さらに、12位の田町、14位の高輪ゲートウェイ、15位の泉岳寺など、再開発が進む品川周辺の駅も上位に入った。
ただ、中山氏は人口増減予測に基づく駅ランキングは有力な指標だが、それだけでは“街の価値”は見えてこないとも指摘した。
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