中国からの投資マネーが止まり始めている背景とは(写真:イメージマート)
都心3区(千代田、中央、港)の中古マンション価格が頭打ちとなったのではないかと注目を集めている。背景には金利上昇などの問題が指摘されているが、それだけではなさそうだ。不動産事業プロデューサーで、『外国人不動産問題』(祥伝社新書)の著者・牧野知弘氏(オラガ総研代表)は、中国からの投資マネーが「この半年、1年でほぼほぼ止まってしまった」と指摘する。
「台湾の人はまだ買っていると思いますが、中国本土からのお金はピタッと止まってしまった印象です。中国当局が、日本を含む外国に投資をしている中国人に対する取り締まりを非常に厳しくしている。日本で不動産を買うための資金ルートをなかなか確保できないということで、中国の投資マネーというのが止まり始めています。
日本での永住許可をめぐる規制強化の影響も大きいです。日本の不動産を購入する中国人の多くは永住を目指していますが、それが叶わないとなると今度は売り圧力のほうがどんどん大きくなっていきます。中国人がむしろ日本よりも東南アジアを目指す動きが顕著になってきました」(牧野氏、以下同)
昨年10月からは外国人の在留資格(経営管理ビザ)の許可基準も厳格化されており、規制強化が複合的に重なっている。日本のマンションを買う外国人は東アジア4カ国(中国、台湾、韓国、香港)が中心だが、現在の動きは国によって異なるという。
「台湾は国交省のデータなどで示されるように割と積極的に買っています。台中関係のリスクを気にして日本に逃げ場所を確保したい人もいるでしょうし、日本で永住したいという人のニーズもあるんだと思います。韓国は経済成長によって日本に移り住みたいというニーズが以前ほどではない印象です」
中国人に限った話ではない
そうした影響もあって、高騰が続いてきた都心タワマンをはじめとするマンション価格が下落に転じつつあるという。
「国内の実需に支えられたマーケットであればこんなこと起こらないのですが、様々なマネーが入ってきていた状況が崩れ始めた。ひとつのきっかけになったのは金利であり、もうひとつのきっかけになったのが外国人規制だと考えます」
【プロフィール】
牧野知弘(まきの・ともひろ)/東京大学経済学部卒業。ボストンコンサルティンググループ、三井不動産などを経て独立。オラガ総研代表取締役としてホテルなどの不動産事業プロデュースを展開する。著書に『街間格差』(中公新書)、『外国人不動産問題』(祥伝社新書)などがある。
