「3A+S」エリアで広がる格差とは(写真:イメージマート)
都心3区(千代田、中央、港)の中古マンション価格が頭打ちだと報じられるなか、同じ「都心3区」のなかでも街ごとの明暗は大きく分かれる。不動産事業プロデューサーで、『街間格差』(中公新書)の著者・牧野知弘氏(オラガ総研代表)は「都心3区を中心としたいわゆるタワマンは、実需の方も多くいらっしゃる一方で、外国人を含めた投資マネーというのがものすごく入っています。このエリアの需要というのは決して単純なものではないのです」と前置きしたうえで、港区の街間格差を語る。
「総務省の調査でも港区は23区でも最も年収が高い区と評されていますが、港区には残酷な街間格差がありますね(苦笑)」(牧野氏、以下同)
「麻布十番はもともと下町だった」
港区で人気の「3A(青山・赤坂・麻布)プラスS(白金)」エリアのなかでも格差があるという。特に「麻布」の内側の差異が興味深い。
「麻布と一言で言ってもいろいろありまして、例えば麻布十番。脚光を浴びて、今度三井不動産がとんでもない高級マンションを売り出しますが、麻布十番ってもともと麻布のなかでも下町なんですよ。西麻布とか元麻布の辺りが本来的な麻布で、東麻布になると準工業地域なんですね。町工場が多かったところで、それと並んで麻布十番は昔から有名な十番温泉があって、庶民的な商店街だった。陸の孤島のような場所で、西麻布や元麻布のセレブリティは車を使うので電車は関係ありませんが、麻布十番あたりは庶民的な店の多い下町という印象でした」
【プロフィール】
牧野知弘(まきの・ともひろ)/東京大学経済学部卒業。ボストンコンサルティンググループ、三井不動産などを経て独立。オラガ総研代表取締役としてホテルなどの不動産事業プロデュースを展開する。著書に『街間格差』(中公新書)、『外国人不動産問題』(祥伝社新書)などがある。
