スマホの生前整理をどう進めるか(イメージ)
自分の没後、残された家族が大迷惑を被る──そんな事態は誰もが避けたいが、「死後の火種」は些細なことに宿っており、生前に何をどう処理しておくべきかわからないことも多い。没後に家族から嫌われないためにやっておく鉄則を専門家が解説する。【前後編の前編】
家族が故人のプライベートを知りショック
終活アドバイザーで行政書士の松尾拓也氏が実体験を元に語る。
「死後に家族が困るのは遺産相続や墓・葬儀のような事柄だけではありません。むしろ小さなことのように思える故人のプライベートな情報を知ることが、“なぜこんなことを知ってしまったのか”と残された家族にとって非常に大きな負担になるケースが多い。このため没後に備える際は、家族が“知らないほうがよい情報”と“知っておくべき情報”をきちんと区別することが重要です」(以下、「 」内は松尾氏)
最も注意すべきなのは「スマートフォン」だと松尾氏は指摘する。
「死後に家族が困らないよう、スマホのロックを解除する暗証番号を事前に教える人がいますが、それによってアダルトサイトの検索履歴や私的なLINEのやり取りなどがあらわになると故人が最も知られたくなかった一面を垣間見ることになり、本人にも家族にとっても不幸になりかねません。これを避けるには、“死後にスマホを開けさせない”状態にすることが大切です」
実際、松尾氏に父親の後見人を委任していた男性が突然亡くなり死後の様々な手続きを取りまとめることになり、こんな経験をしたことがあるという。
「私が男性の父親の後見人をしていた関係で、死後の手続きを担うことになりました。遺産調査や葬儀に呼ぶ人の選定などのためにスマホの中身を調べなければならず、パスワードが生年月日だったので簡単にロックを解除できました。
しかし、生前にその男性がどんな写真を撮って何を検索して、どう行動していたのかといった私生活の面も垣間見えてしまいます。私は依頼を受けて淡々と作業をしただけですが、家族が故人のプライベートを知りショックを受けるケースは多いです」
