遺される家族のため何をしておくべきか(写真:イメージマート)
自分の没後、残された家族が大迷惑を被る──そんな事態は誰もが避けたいが、「死後の火種」は些細なことに宿っており、生前に何をどう処理しておくべきかわからないことも多い。没後に家族から嫌われないためにやっておく鉄則を専門家が解説する。【前後編の後編】
故人の取引や契約を把握できる「紙の通帳」は救いの一手
家族と必ず共有しておくべきなのが財産関係の情報だ。なかでも銀行口座は一覧を残しておかないと、家族が自宅に残された通帳や郵便物、メールなどから金融機関をひとつずつ探すことになる。さらに解約の際には故人や相続人全員の戸籍謄本などの書類の束を携えて銀行窓口を回る羽目になるケースがあり、煩雑な手続きに追われてしまう。
とりわけ近年普及したネット銀行の場合、家族が口座の存在そのものに気づかないことがあり、相続の際にトラブルの元になる。終活アドバイザーで行政書士の松尾拓也氏はこう話す。
「これを避けるには、利用している金融機関名などをパソコン上の文書に整理しておき、口座を開設した際の書類や金融機関から届いた封筒などを1通でよいので前述した『いざという時用の箱』に入れておく。口座のある金融機関がわかるだけで家族の手続き負担を大幅に減らせます。重要書類が家中でバラバラになっていると探すのも一苦労なので、この箱は他にもあらゆる場面で重要になってきます」(以下、「 」内は松尾氏)
近年はネット銀行でなくてもデジタル化が進み紙の通帳が消えつつあるが、通帳を残すメリットはある。
「直近の取引が記帳してある紙の通帳があれば、残高だけでなく引き落としの履歴から本人が何を契約していたのかをある程度把握できて家族が助かります。通帳は紛失させずに保管しておくといいでしょう」
