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防災の専門家が持ち歩く“命を守るアイテム” 「本当に必要なものが、常に身近にあることが大事」

危機管理アドバイザーの国崎信江さんは、かさばらず非常時も役立つものを無駄なくセレクト

危機管理アドバイザーの国崎信江さんは、かさばらず非常時も役立つものを無駄なくセレクト

 東日本大震災から12年──今年2月にはトルコ・シリア大地震が発生。死者数は5万人を超え、190万人以上が避難生活を強いられるなど混乱が続く。自分の命を守るために必要な事前の備えとは。防災の専門家2人に、バッグに必ず入れて持ち歩いている防災アイテムを教えてもらった。

 災害とは、日常にも潜んでいるものだ。

「常に、『エレベーターに閉じ込められたら』という意識を持つこと。その上で、『停電したら暗くて寒い、トイレも必要』などと想定し、必要なものをそろえるといいですね」と、危機管理アドバイザーの国崎信江さんは言う。なかでも、女性の視点で欠かせないのが“黒のポリ袋”だ。

「濡れた場所でのシート代わりになります。首回りのサイズに切ればポンチョに。かぶったまま着替えもできます。せっかく簡易トイレがあっても人前ではできない。そんなときの目隠しにも役立ちます。また、手袋をはめるだけで髪が洗えるシャンプーは、5~6年前に登場した便利商品。液だれの不快さもなく、まんべんなく洗えて快適です」(国崎さん・以下同)

 国崎さんは、これらのグッズをポーチにまとめず、バッグのポケット部分にそのまま入れている。

「以前はポーチを使っていましたが、バッグによっては入らないこともある。防災グッズは毎日持ち歩かなければ意味がないので、ポーチをやめたんです」

 また、「非常持ち出し袋は必須」という固定観念に縛られなくてもいいという。

「講演で『ふだん持ち歩くバッグと2万円の持ち出し袋、いざというときにどちらを持っていきますか?』と聞くと、8割の人は、なんと前者を選びます。理由は、財布やカード類、カギなどの貴重品が入っていて、なくしたら後が大変だから。

 そういうかたは、私が持っている程度の防災グッズをふだんのバッグに入れておけば、それがあなたの持ち出し袋になります。“持っていかない”持ち出し袋を置いておくよりずっと現実的です。自分にとって本当に必要なものが、常に身近にあることが大事なんです」

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