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日本の食卓の「干物離れ」 生産量は15年で半減、「開けば開くほど赤字」で廃業する業者も

 一方で、「週5で食べている」という人がいた。広告代理店勤務のCさん(30代男性、都内在住)は、「小学生の子供が肉を食べたがらず、魚も生魚を食べない」という事情から、干物がよく食卓にのぼる生活だという。ただし、「子供の好みが違っていたら、もう10年以上食べていないかもしれませんね」とも語る。

干物作りは一枚一枚手作業。セイロに並べた後は、干して乾燥させる

干物作りは一枚一枚手作業。セイロに並べた後は、干して乾燥させる

社員旅行が減り、インバウンド需要も消滅

 干物作りが盛んな静岡で生まれ育ち、実家は昭和初期創業の干物屋だというDさん(30代男性)が、「もっとも繁盛していた時期」を回想する。

「実家では生魚、干物、乾物を扱っています。干物は自家製で、アジとイカがメイン。最盛期はバブルの後ぐらいで、僕が子供の頃、国内ツアーの観光バスがたくさん来ていた記憶があります。ツアー会社と提携していて、ルートに組み込んでくれたんですよね。最大で1日40台のバスが来たという話も聞きました。特に年末の繁忙期はすごい売上だったようです」

 国内ツアーで多かったのは社員旅行。旅行土産として干物は好まれていたようで、1日に200枚ほど売れたこともあったというが、Dさんは、「僕が大学生だった2000年代半ばには、そういうツアーが少なくなった印象です。社員旅行をする会社も減ったのでは」と話す。

 2009年に富士山静岡空港が開港したのを機に、海外からも観光客が来るようになったが、そうしたインバウンド需要も新型コロナウイルスの感染拡大を機に激減した。そんな変化を目の当たりにしてきたDさんは、今の干物離れをどう感じているのか。

「干物を食べなくなったのは、やはり値段が高くなったのが大きいと思います。あとは、缶詰や惣菜など、手軽に食べられる魚の加工品の選択肢も多くなりましたよね。シニア層も干物ではなく、缶詰やレンジで温めるだけでよい魚の惣菜を買ったりしています。

 また、干物屋は大規模なチェーン店ではなく、個人商店でやってるところがほとんどなので、販路拡大が難しい現実もあります」(Dさん)

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