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【実例紹介】墓じまいの悩みやトラブル 「寺から高額の離檀料を請求された」「親が散骨希望だが子供は反対」をどう解決するか

【ケース2】寺院との関係がギクシャク

《相談》
 大学を卒業してからそのまま東京で就職し、数十年。両親も亡くなり、実家もお墓も処分しようと考えて、お寺に「今年中に墓じまいをします」と連絡をしたところ、住職は激怒。高額な離檀料を請求されました。

「離檀料やお布施でお寺さんと揉めてしまう、という話はよく聞きますが、感情的な行き違いから生じるケースが多いようです。寺院が悪意をもって離檀料の請求をしているというケースは稀だと思います。お寺さんをかばうわけではありませんが、住職も人間です。お寺さんと家との長いつきあいや関係性を考えずに、電話で一方的に『今度、墓じまいします』と言われたら、やはりいい気持ちはしないでしょう」

 これを防ぐためにはやはり、コミュニケーションしかないようで……。寺田さんは「めんどうだと思う気持ちは理解できる」と言いつつ、「節目のお墓参りの際には、一言、お寺さんにあいさつするといい」と指摘します。

「最近は住職不在のお寺もありますが、お寺さんは檀家家族のことをよく知っています。墓じまいする可能性がある家も薄々、感じているはずです。お寺との関係性ができていれば、大きく揉めるケースはあまりないはずです。また、お寺とのつきあいの中で、お世話になっていると感じられれば、お布施というお礼の気持ちを示すマナーについても、納得しやすくなるのではないでしょうか」

【ケース3】お経を読んでもらうべきか?

《相談》
 故郷の公営霊園にある両親の墓をしまおうと考えています。霊園自体は無宗教ですし、両親も私も特別な信仰はありません。それでも、魂抜きのお経をあげていただいたほうがいいのでしょうか? つきあいのあるお寺はないですし、知り合いの住職もいないし、儀礼的な意味だけならやめてもいいのかなと思いつつ、やっぱり供養のためには必要かもと迷っています。

「無宗教の墓地であればとくに、宗教儀式をしなくてはならない、ということはありません。ただ、悩まれているのであれば、『お経を上げてご先祖の皆さんを納骨したのであれば、最後にしっかりお経をあげていただいたほうが安心かもしれません』とお伝えします。気持ちの問題だからこそ、先々、『やっておくべきだった』と後悔することになるかもしれません。悩まれているのであれば、儀式をしたほうが気持ちは落ち着くと思います」

【ケース4】お骨を自宅に安置したい

《相談》
 墓じまいをして、お骨は自宅に安置して供養したいと思っています。親戚からは「お墓にいれなきゃダメでしょう」と言われるのですが、しばらくは近くにいてほしいと思っています。

「お骨の自宅保管は法律上、問題ありません。ただ1点、注意が必要なのが『改葬許可証』です。墓じまいをして、家に安置する場合、多くの場合、改葬許可証は必要ありません。が、そもそも改葬許可証はそのお骨が誰のものであるかという証明。改葬許可証がないということは、お骨が誰のものなのかの証明がない状態でもあります。そのため、次にどこかに埋葬しようと思ったとき、許可証が出ない可能性があります。対応は自治体によって異なりますので、家に安置する場合でも埋葬許可証の発行について確認をしておくとよいでしょう」

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