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【生前贈与より不用品の整理を】「親が行っていた終活」と「子が済ませてほしかった終活」の大きなギャップ

子供のためには「お金」より「モノ」の整理を

子供のためには「お金」より「モノ」の整理を

 いずれ訪れる「相続」にかかる税金を減らすための“あの手この手”が喧伝されているが、なかには逆効果となってしまうことも。子供のための生前贈与で老後資金を失う親、よかれと思って親が残した不動産が“ババ”になり、負担を強いられる子供──。相続をめぐっては、そんな思惑違いに陥るケースがあるのだ。

「お金」はいいから「不用品」をなんとかして!

 親子間の「相続」つまり「終活」に対する価値観には大きな違いがある。「相続工学」を用いて相続の当事者と専門家をつなぐサービスを行うルリアンが行った調査によると「生前、親が行っていた終活」と「親に済ませておいてほしかった終活」には、大きな開きがあることがわかる。

 もっとも親子間のギャップが大きかったのが「物の整理・不用品処分」、続いて「生前贈与など相続税対策」「空き家対策」となっている。つまり、子供にしてみれば、生前贈与よりも不用品の整理の方が重大な問題なのだ。新潟県在住のTさん(51才)がこぼす。

「80代の母はせっせとお金を贈与してくれていますが、その一方で自宅の不用品は“いつか必要になるかもしれない”と、まったく手をつけてくれません。

 先日ついに、母が積み上げた古本につまずいて足をけがしてしまって……これに懲りて捨ててくれるだろうと思いきや“階段を上がれないからちょうどいいわ”といって、業者に頼んで不用品を全部2階に移したと聞いてあきれました。母が亡くなったら、それを片づけるのは私なんですよ」

 特に困るのは、人形や骨董品などのコレクション。親にとってはどれほど価値が高くても、処分する子供にとってはゴミ同然だ。相続・終活コンサルタントの明石久美さんが語る。

「人形などは怖くて捨てにくいですし、貴金属や骨董品は売るのにも手間がかかります。領収書や請求書をため込んでいると、払う必要があるのかどうか判別できなくて困る。“用途がわからないから、捨てられない鍵”が何本もまとめて保管されている家も少なくありません」(明石さん・以下同)

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