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東海道新幹線「車内ワゴン販売」終了で一抹の寂しさ 「カタイアイスの思い出」「もはや人による接客は贅沢」

新幹線に飛び乗り、コーヒーを頼んで一息

 メーカー勤務の40代男性・Bさんは、「ワゴン販売は、時間のない会社員にとってもありがたい存在だった」という。

「時間に追われていて、乗車前に買い物に行く余裕がなかったり、忘れていることも多いので、ワゴン販売はありがたい存在でした。車内販売がいつ来るかと楽しみに待っている時間が結構好きで、コーヒーを頼んで一息つく時間が贅沢でした。自分で買ってから乗車するのでは、なんとなくその贅沢気分は味わえないなと」

 グリーン車でのモバイルオーダー方式について、Bさんは「ワゴン販売ならではの醍醐味は失われるんじゃないかな」と寂しがる。

「モバイルオーダーは、確かに自分のタイミングで注文できて便利ですが、なんだか味気なさを感じてしまいますね。車内販売の商品って、ワゴンに乗せる量に限界があるから、相当厳選されているわけじゃないですか。それらのなかから、つまみは何があるのかな、などと選ぶのも楽しかったんですけどね。時代の変化と言ってしまえばそれまでですが……」(Bさん)

パーサーの接客サービスは日本が誇る文化

 飲食店勤務の30代女性・Cさんは、接客面のすばらしさからワゴン販売の終了を名残惜しむ。

「ファミレスの配膳ロボットなんかもそうですが、世の中がどんどん人手をかけないようにシフトしていますよね。人による接客が贅沢な時代になりつつあるのかもしれません。接客込みでパーサーから受け取るコーヒー一杯は価値あるものなんだな、としみじみ感じます。

 ワゴン販売も今までは当たり前でしたが、消えるとなるとやっぱり寂しい気持ちになりますね。車両に入る時や出る時に一礼したり、目線を丁寧に配りながら、話しやすい雰囲気を作るパーサーの接客も、新幹線のサービスの一つとして日本が誇る文化だと思います」

 時代の流れとはいえ、一抹の寂しさを感じている人は少なくないようだ。(了)

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