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老後資金が不安でも「生涯現役」は負担が大きい 引退の“損益分岐点”となる年齢はいつか、年金繰り下げ受給で前倒しも

平均寿命が大きく延びたいま、いつまで働くのが正解なのか(イメージ)

平均寿命が大きく延びたいま、いつまで働くのが正解なのか(イメージ)

“老後”と一口に言っても理想のライフスタイルは人それぞれ。何才まで働くか、家族とはどうかかわるか、どこに誰と住むかなどによって、老後資金として必要な金額は変わってくる。自分が思い描く生活には、いったいいくらかかるのか。そしてそのためには、いつまで働けばよいのか──。

フルタイムで75才まで夫婦で働く

 人生100年時代といわれて久しい現代では、かつては「引退」の年だった60才も単なる折り返し地点に過ぎず、内閣府の発表によれば7割近く(60~64才)が何らかの仕事に就いている。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんが語る。

「高齢者の就業率は伸びており、65~69才でも2人に1人が、70才を超えてなお、約5人に1人が働いています。一方、『2000万円問題』のモデルケースは『年金以外の収入がない夫婦ふたり暮らし』の世帯。つまり、年を重ねても働くことを選択すれば、老後資金をやみくもに貯める必要はないということ。極端ですが、たとえ貯蓄がゼロであっても仕事さえしていれば最低限の生活は保障されると考えられます」

 とはいえ、「生涯現役」は体に負担がかかることも事実。平均寿命が大きく延びたいま、いつが「引退」の“損益分岐点”になるのか。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは、このひとつの区切りを「75才」だと話す。

「フルタイムで75才まで夫婦で働いて、支出が収入の範囲内なら、99才まで貯蓄残高がゼロになることは試算上ほぼありえないと言っていい。

 妻がパートタイムの仕事をしていて、60代前半に赤字になった家庭も、年金を受け取れば黒字化します。そもそも貯蓄はいつか使うために貯めているものですから、途中で収支がマイナスになって貯金を取り崩すことになっても慌てる必要はないのです」

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