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【5年ルールに注意】iDeCoで重要なのは受け取り方 手取りを増やすために考慮したい「退職金受け取りのタイミング」

iDeCoの受け取り方には3種類ある(イメージ)

iDeCoの受け取り方には3種類ある(イメージ)

 増税や値上がりが相次ぎ、頼みの綱だったはずの公的年金制度さえ危機に瀕しているいま、資産運用による老後資金づくりは死活問題だ。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは「老後資金を増やしたいなら、つみたてNISAとiDeCoを組み合わせるのがいちばん」と語る。ただし、「どう投資するか」以上に重要なのは「どう受け取るか」だ。【iDeCo×つみたてNISA戦略ガイド・全3回の第3回。第1回から読む

 iDeCo(個人型確定拠出年金)の受け取りは60才以降、75才まで。まとめて受け取る「一時金」、分割して受け取る「年金」、そしてその両者を組み合わせた「一時金+年金」の3種類がある。一時金で受け取れば退職所得控除が使えるため手取りを増やすことにつながるが、タイミングには注意したい。ファイナンシャルプランナーの山口京子さんが指摘する。

「会社員の場合、退職金とiDeCoの一時金を同時に受け取ると、退職所得控除額をオーバーしてしまうことがあり、超えた分の半分には税金がかかります。退職所得控除は勤続38年で2060万円までなので、iDeCoの一時金と同時に受け取ると超えてしまう人もいます」

 そのため、退職金とiDeCoの一時金は、受け取るタイミングをずらすのがベスト。

 例えば、退職金の受け取り時期が65才であれば、60才の時点でiDeCoの一時金を受け取っておけば、それぞれの退職所得控除を使うことができる。

iDeCoの「5年ルール」に注意

 ただし、iDeCoの「5年ルール」には気をつけたい。マネーコンサルタントの頼藤太希さんが話す。

「iDeCoを一時金で受け取ってから5年以内に退職金を受け取ると退職所得控除に制限が発生します。また、退職金より後にiDeCoを受け取ると、退職所得控除は適用されませんが、受け取った金額の半分に税金がかかる『2分の1課税』は適用されます。

 また、公的年金を70才まで繰り下げておいて、iDeCoの受け取りを年金形式にして60~70才に受け取ることで、公的年金等控除を適用するのも1つの手です」(頼藤さん・以下同)

 定年以降は、リスクを抑えて堅実な運用をするのと同時に、増やした資産を「どう取り崩していくか」も重要だ。

「受け取りに年齢制限のないNISA(少額投資非課税制度)の場合、まずは『定率』で、資産が減ってきたら『定額』での取り崩しが基本です。健康でお金が使えるうちは“毎年、資産の6%”などと割合を決めて取り崩していき、支出も資産額も減ってきたら“毎年60万円”など、定額で取り崩していきましょう」

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