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【飲食店の原価】宅配ピザが「1枚2000円台」を死守したいカラクリ 注文が増えすぎると配送料が収益を圧迫

ピザの原価はチーズが4割

 ピザの主な材料は生地、チーズ、トッピング、ソースに分類されるが、原価の観点で見ていくと、「原材料のなかで最も高いのはチーズ。チーズは各社ともこだわりがあってオリジナルブレンドをしていること多く、全体の4割を占める。あとは生地(小麦粉)とトマトなどのソース類で3割、残りの3割がサラミやベーコン、ウインナーなどの肉類とピーマンやオニオン、コーンといった野菜類のトッピングというのが大体の目安」(宅配ピザ店店長)になるのだという。

 他の外食産業と同様、小麦粉やチーズなどの食材費が1.5~2倍に値上がりしたことで、各宅配ピザチェーン店では値上げの動きを見せている。

 業界1位のドミノ・ピザでは、昨年10月にサービス料(注文金額の6%=上限299円)を導入したが、今年4月にはわずか半年あまりで撤廃。それと同時にSサイズ190円、Mサイズ290~300円、Lサイズ440円の値上げを実施。サービス料の6%を上回る約9%の価格上昇となった。業界3位のピザーラでは、昨年11月に実質的な値上げとしてLサイズの直径が3センチ小さくなり、Mサイズの大きさはそのままで価格を上げている。

 業界2位のピザハットでは、一部の商品の料金を改定したうえで、今年4月から一部店舗でこれまで無料だった配送料を250円徴収することになった(同6月から全国で実施)。

 現段階ではドミノ・ピザとピザーラは配送の有料化に追随していないが、「いずれ配送料が導入されることになるのではないか」とみるのは、調達・購買業務コンサルタントの坂口孝則氏だ。

「他の外食産業に比べて宅配ピザの食材の原価は低いが、配達スタッフの人件費が値段を押し上げてきた。ここにきて、宅配ピザ業者間での人材確保競争が激化しており、人件費はさらに高騰。さらに、5割もアップした燃料費が収益を圧迫している構図があります」

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