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新NISA「どこで口座を開いても同じ」は大間違い 「ネット証券」「対面式の証券会社」「銀行・郵便局」のそれぞれの特徴と注意点

NISA口座の開設先を適当に選んではいけない(イメージ)

NISA口座の開設先を適当に選んではいけない(イメージ)

 2024年1月から始まった「新NISA(少額投資非課税制度)」。一般的な株式投資などでは運用益や配当金に約20%の税金がかかるが、新NISAなら利益が無期限で非課税になる。さらに投資の限度額も生涯で1800万円まで拡充され、月々の運用額や運用次第では資産を大きく増やすことも夢ではなくなった。

「それだけ増やせるのに税金がかからないなら、やらなきゃ損!」とばかりに、こぞって新NISAを始める人が急増しているが、一歩間違えればむしろ大損する可能性もある。  ファイナンシャルプランナーの藤川太さんが言う。

「新NISAはあくまでも、コスト面などでその他の投資方法よりも安心感があり、長期で運用していけば利益が出る可能性が高いだけで、100%儲かるわけではない。

 そもそも運用益がプラスにならなければ、いくら非課税でも意味がありません。また一般的な課税口座では損失を翌年以降に先送りする『繰越控除』や、利益と損失を相殺する『損益通算』ができますが、新NISAではできないなど、デメリットもある。制度が拡充して使いやすくなったからこそ、リスクを知って大きな失敗を避けた運用をめざしてほしい」

品揃えが豊富で使い勝手がよいネット証券

 新NISAの“最初の落とし穴”は、金融機関選びにある。

 新NISA口座は証券会社のほか銀行や郵便局(ゆうちょ銀行)でも開設できるが「どこで口座を開いてもまったく同じ」と思ったら大間違いだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが解説する。

「新NISAの『つみたて投資枠』対象の投資信託は全部で280本ですが、銀行や郵便局では場合によっては取扱本数が10本未満のこともあります。必ずしも数が少ないことが悪いわけではありませんが、そうした差があることは把握しておいてほしい」

 一方、もっとも取扱商品数が多いのはネット証券。次いで対面型の証券会社だ。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが言う。

「大手ネット証券は品揃えの豊富さに加え、各種手数料が安いのもメリット。中でも品揃えや使い勝手で“2強”といわれるのがSBI証券と楽天証券です。

 もし、この2つで迷ったら、自分にとってより身近な方を選ぶのがいい。楽天カードを持っていたり楽天市場でよく買い物をするなら楽天証券、三井住友カードを使っているならSBI証券、といった具合です」

 大手ネット証券はクレジットカードを使って積み立てればポイントも貯まる。だが、それを第一の判断材料にせず、あくまでも使いやすさや手数料の安さを基準に絞り込み、ポイ活は最後の決め手として考えよう。

「ネット証券は手数料が安い分、わからないことがあったら自分で調べる必要があります。電話やチャットで問い合わせれば丁寧に対応してくれますが、昨今は新NISAが注目を集めていることもあり、つながりにくい。ネット証券はハードルが高いと思うなら、野村證券や大和証券など、対面型の証券会社をおすすめします」(横山さん)

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