長期投資を実践するうえで重要なポイントとは(写真:イメージマート)
20代半ばから株式投資を始め、40代で資産4億円を築いた現役サラリーマン投資家・とりでみなみ氏は「『20代・貯金ゼロ』からでも株式投資なら50代で億に到達できる」と語る。会社員として勤務しながら、どのように成長する銘柄を見つけ出し、どんなスタイルで投資してきたのか。“億り人”になるための極意を聞いた。
超・長期分散ほったらかし投資法を実践
とりで氏は「50歳までに3億円を貯める」を目標に掲げ、20代半ばから日本株の個別株投資をスタート。目標の50歳を約3年前倒しし、2024年1月、40代で資産3億円を達成した。2025年5月現在、資産は4億円超に増えている。
会社員として働くとりで氏の株式投資の基本スタンスは、「自分の代わりに“お金”に働いてもらう」だ。
「私の投資スタイルは、超・長期分散ほったらかし投資法です。超・長期とは10年以上先の未来を見越して、その未来に需要が高まっているもの、流行っているものを予想し、有望な会社に投資するという時間軸です。誰でも就職する時は1年でこの会社を辞めようとは思わないですよね。私は投じた資金をホイホイと“転職”はさせません。基本的に売買をせず、できるだけ放置できる投資を心がけています。
ほったらかしにするために最も重要なポイントは、投資銘柄を分散しておくことです。1つの銘柄に資産を集中させてしまうと、不祥事など突発的なことが起こると大変なことになります。分散しておけば、個別の銘柄のリターンの額は薄まりますが、リスクも薄まるのでパフォーマンスは安定します」(とりで氏。以下、「 」内、同じ)
ほったらかし投資でいつの間にかテンバガー
ほったらかし投資でいつの間にか「テンバガー(10倍株)」になっていた銘柄もあるという。
「私の人生初のテンバガーは東映アニメーション(東証スタンダード・4816)でした。2013年に株価810円で300株、約24万円で購入しました。この銘柄を買ったのは、コンテンツビジネスの将来性に注目したからですが、実は株主優待(300株で自社コンテンツをプリントしたQUOカード2セット)目当ての側面も強く、私の中で主力銘柄としていなかったので、2021年にツイッター(現・X)で『株価がものすごく上がっている』というツイートを見かけるまで株価が値上がりしていることには気が付きませんでした。気が付いた時には10倍どころか、20倍を超え、約24万円の元手が500万円以上に増えていたのです」
とりで氏は年間300万円を株式投資に振り向けて年平均7%で運用し続ければ、50歳で3億円に到達するという独自のシミュレーションのもと、20代半ばから実践してきた。生活費を除いた給料のほとんどを株式投資に投じたという。