応援のために車券を買うということはしない
埼玉県に住む契約社員のBさん(30代女性)は、とある競輪選手を推している。推しの選手を追いかけて、全国の競輪場を飛び回ることも多いという。
「仕事は比較的融通がきくので、頻繁に遠征しています。ただ給料はそんなに高くはないので、正直な話、金銭的にはけっこう大変ですね」(Bさん)
そんなBさんは、全国にいる競輪仲間のサポートを受けて、推し活に勤しんでいる。
「全国の競輪場に、その近辺に住む競輪仲間がいるんです。だから遠征するときは、その競輪仲間たちと一緒に競輪場に行くことがほとんどです。競輪仲間は結構優しい人が多くて、たとえば私が鉄道で埼玉からその土地に移動したら、駅まで車で迎えに来てくれることもよくあります。しかも地方までわざわざ来てくれたということで、ご飯なんかも奢ってくれるんです。すっかり競輪仲間に甘えている部分があります」(Bさん)
Bさんは車券についても、あまりお金をかけない主義だという。
「レースの予想と推し活は別だと思っています。もちろん、推しの選手が勝つと思ったときは推しの車券を買いますが、応援のために車券を買うということは絶対にしない。車券を買ったお金が推しの懐に入るのなら積極的に買いますけど、そうではないですからね。私にとって重要なのは、現場で推しが頑張っているところを見ること。ギャンブルで負けてお金がなくなって、現場に行けなくなったら意味がないんです。だから、レースの予想はシビアにやっています」(Bさん)
公営競技の選手を対象とした推し活では、推しのために時間とお金を費やすのは同じでも、“ギャンブルとの向き合い方”は人それぞれなのだ。