スマートフォンで複数の株主優待の電子チケットを使いこなす “優待弁護士”こと澤井康生氏
紙から電子チケットへ―—。株主優待券の電子化が加速している。従来は紙で発行されていた優待券がスマートフォンで利用できる「電子チケット」の形になることによってもたらされるメリットとはどのようなものか? 警察官僚から弁護士に転身し、保有する約250銘柄は「ほぼ優待銘柄」という投資家の澤井康生氏(53)に解説してもらった。
銘柄によっては家族や友人にプレゼントできる機能も
約10年前に株主優待目的で株式投資を始め、幅広い分野の優待銘柄を長期保有する“優待弁護士”こと澤井氏は、「株主優待の世界にも紙媒体からデジタルへの移行の波が押し寄せており、外食系銘柄を中心に株主優待券の電子化を実施する企業がこの1年で急に増えています」と指摘する。
2025年に入ってからは、居酒屋『磯丸水産』などを展開するSFPホールディングス(東証プライム・3198)、同社を傘下に持つクリエイト・レストランツ・ホールディングス(東証プライム・3387)が同年5月発送分から株主優待券の電子化(電子チケット)をスタートした。「ハードロックカフェ」「ウルフギャング・ステーキハウス」などを運営するWDI(東証スタンダード・3068)も2025年3月末基準日(6月中旬発送予定)から株主優待券を紙から電子チケットに変更している。
澤井氏は前出のSFPホールディングスをはじめ、2024年に株主優待券を紙から電子チケットに変更した外食大手のDDグループ(東証プライム・3073)や「the 3rd Burger」展開のユナイテッド&コレクティブ(東証グロース・3557)など、複数の外食系銘柄の電子チケットをスマートフォンに登録し、日々の外食時に活用しているという。
「電子チケットはスマートフォンで簡単に操作でき、たとえば私が保有する銘柄の電子チケットは、会計の際に店員さんに優待券画面を見せてスキャナーで二次元コードをピッと読み取ってもらうだけで会計が終わります。銘柄によっては電子チケットを1円単位で使えたり、家族や友人にプレゼントできる機能もあったりと、とても使いやすくなっています。何より、スマートフォン内で管理するので、『今日うっかりしていて家から紙の優待券を持ってこなかった』という失敗はなくなります(笑)」