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ビジネス

「お客様からの信頼を獲得できていません」セブン-イレブンが痛烈な自己批判 コンビニ界の“絶対王者”が失われた信頼と革新性を取り戻すために必要な改革とは

“絶対王者”セブン-イレブンの復活への道は(Getty Images)

“絶対王者”セブン-イレブンの復活への道は(Getty Images)

 日本を代表するコンビニエンスストアチェーン、セブン-イレブン・ジャパンが2025年5月に新CEOに就任したスティーブン・ヘイズ・デイカス氏の元で、大胆な改革をスタートしようとしている。8月6日にはセブン&アイ・ホールディングスが「7-Elevenの変革」と題するプレゼンテーション資料を発表。同資料の内容をイトモス研究所所長・小倉健一氏が読み解き、今のセブン-イレブンに求められる改革について考察する。

 * * *
 コンビニエンスストアの絶対王者と言われてきた、セブン-イレブン・ジャパンが大改革に挑もうとしている。親会社であるセブン&アイ・ホールディングスが8月6日に披露したプレゼンにあった資料「7-Elevenの変革」は、これまでの成功体験がむしろ足かせになっているという厳しい自己分析に満ちている。経営陣は、特に日本市場における課題を深刻に受け止めている。資料にはこう記されている。

「現在、我々の課題の1つは、この創業者の精神が失われていることだと考えています。特に日本において、私たちはかつてほどお客様からの信頼を獲得できていません」

 過去の栄光に安住していた部分も、厳しく自己批判している。

「私たちは創業者が持っていたような、積極的に変化を受けとめることも出来ていません。本部を中心に、私たちは少し現状に甘んじてしまっている部分があります」

 かつて次々と革新的な商品やサービスを生み出してきた姿は影を潜め、イノベーションの停滞も認める。そして、「私たちのイノベーションは、スピードを失っていると言わざるを得ません」と続く。経営トップが自ら発信する言葉は、組織が深刻な停滞に陥っていることへの強い危機感の表れである。

 経営陣が抱く危機感は、消費者からの厳しい評価によるところもあるのかもしれない。ソーシャルメディアX上では、消費者たちの不満の声が可視化されている。

「チーズ10%増量と書かれているのに、実際は単に10%値上げしているだけだ」
「ローソンやファミマは増量キャンペーンでブランドイメージを大きく向上させた一方、セブン-イレブンは上げ底でブランドイメージを大きく損なった」

 問題は価格や内容量にとどまらない。商品の本質的価値である品質の低下を嘆く声も多く寄せられている。これらの声は、経営陣自らが認めたブランド信頼の低下が、日々の買い物という生活の場面で消費者にどのように受け止められているかを、生々しく物語っている。

 かつて、セブンは期待を上回るサービスや商品開発を立て続けに打ち出し、その先進性と完成度で多くの支持を集めてきた。消費者からの期待値が高いからこそ、こうした不満の声も目立つではないか。同じような対応でも、ローソンやファミマであれば許容されることが、セブンでは厳しく批判される。それほどまでに、かつて築いた信頼とブランドイメージが大きかったのであろう。

次のページ:復活のための3つの具体的な処方箋

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