コロナ禍以降、在留外国人人口は増え続けている
日本人人口が急減している一方で、国内の外国人人口は増え続けている。今はまだ総人口に占める割合は3%ほどだが、人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長の試算によれば、今の「35万人増」ペースが続いたとすると、20年後には「10人1人は外国人」になるという。そのとき、日本の「国のカタチ」はどう変わるのか──。河合氏の独自レポートをお届けする。【前後編の前編】
* * *
先の参議院選挙において「日本人ファースト」を掲げた参政党が躍進するなど、外国人政策に対する国民の関心が高まりをみせている。
政府は「移民政策はとらない」としながら、なし崩しに受け入れの拡大を続けてきた。参院選で外国人問題が争点となったことをきっかけとして、多くの人々が政府の姿勢への不満を露わにし始めた印象である。
外国人政策を巡る世論は、かねてより二分している。推進派、慎重派とも主張が収斂しているわけではないが、推進派で多く聞かれるのは、人手不足対策としての受け入れ拡大だ。経済団体や企業経営者などを中心に「外国人労働者に頼らなければ日本社会は回らない」といった声が強まっている。
これに対し、慎重派には日本ならではの風情や文化が損なわれることへの懸念や治安悪化、生活秩序の崩壊への不安を口にする人が多い。
だが、日本が外国人政策を考える上で最も肝心な視点は、日本人人口が激減していくという冷徹な現実である。母国の人口がハイペースで減るわけではない諸外国とは、ここが根本的に異なる。人口激減国が大規模に外国人を受け入れることで何が起きるのか、正しく理解する必要がある。
“外国人労働者=助っ人”という認識は改めるべき
当然ながら、人口激減国が外国人を大規模に受け入れれば、総人口に占める外国人の割合は急上昇する。外国人人口は来日者だけで増えるわけではないことも知る必要がある。永住者や長期滞在者が多くなれば、日本で生まれる二世や三世も増える。
一方、日本人人口は出産年齢の女性が激減していくため、減少に歯止めがかからない。それは、100年もしないうちに外国人のほうが多数派になるということだ。外国人について、人口が減りゆく日本の“助っ人”ぐらいに捉えているならば、認識を改めたほうがよい。
外国人人口の増加は、急速にさまざまなところへの影響を及ぼす。総人口に占める割合が大きくなれば、国政への参政権を求める声は強まろう。言語も多様化し、日本語以外の言葉が母国語に加わる日が来るかもしれない。象徴天皇制だって、日本人が少数派となることを想定していない。
外国人を大規模に受け入れるとは、「国のカタチ」を大きく変質させることを容認するということに他ならない。日本人にそこまでの覚悟はあるのかが問われている。
在留外国人「35万人増」ペースが続いたら
では、外国人が総人口に占める割合は、今後どのようなペースで増えていくのだろうか。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は「出生中位・死亡中位推計」において総人口に占める外国人人口の割合が1割になる時期を2070年と説明してきたが、もはやこの予測は現実的ではなくなった。足元の日本人の減り方が大きくなっているためだ。