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ライフ

《金価格高騰の余波》都内パチンコホールの「特殊景品」の買い取り価格が今年3度も値上げ “換金”が1000円単位になり、ユーザーを悩ませる“余り玉問題”の行方

TUCでは金が見える形の特殊景品を扱う(イメージ)

TUCでは金が見える形の特殊景品を扱う(イメージ)

1000円に満たない出玉は“余り玉”に

 パチンコ・パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が、特殊景品の値上げの影響について説明する。

「東京以外の地域のホールでは、金や銀を使わない特殊景品を扱うケースが多く、換金の最小単位は“500円単位”もしくは“200円単位”というホールもあります。しかし、東京都内のホールでは、基本的にTUCで買い取りができる特殊景品だけを扱っていることがほとんどで、換金できる最小単位の金額もTUCの買い取り価格に依存するものとなります。

 TUCでの換金の最小単位は、今年の4月までは500円でしたが、今年9月の買い取り価格値上げによって“2500円以上であれば500円単位”となり、さらに10月の値上げ以降は“1000円単位”となりました。1000円に満たない出玉は“余り玉”となり、貯玉としてキープしておくか、ジュースやお菓子などの安価な景品に交換することとなります。

 貯玉サービスは基本的にそのホールの“会員サービス”となっており、会員ではないユーザーは余り玉を交換することとなります。500円単位であれば、余り玉が多くてもジュース2本くらいで済んだものが、1000円単位となるとその倍くらいになることもある。“換金”したいというユーザーが圧倒的に多いことを考えると、余り玉が増えてしまうことはデメリットであると言えると思います」

特殊景品の買い取り価格の推移

 TUCによる特殊景品買い取りのシステムは1990年代から2000年代にかけて、都内のホールで導入された。当初TUCで扱われる特殊景品は2500円の「1g金賞品」と1000円の「0.3g金賞品」だった。そのうち、“大景品”と呼ばれていた「1g金賞品」は、2007年11月に3500円に値上げし、その後段階的に値上げが続き、2022年3月には9000円となった。

 しかし、パチンコホールの景品として提供できる物品の価格には上限があり、「1g金賞品」はその上限を超えることとなったため、2024年までに多くの都内のホールでの取り扱いが終了している。

 当初“中景品”と呼ばれ、1000円で買い取られていた「0.3g金賞品」は、2010年末に1500円に値上げされると、その後も2019年に2500円、2022年3月に3000円、2022年4月に4000円と段階的に価格が上昇。そして前述のように今年に入ってからも値上げされ、現在は9000円となった。2007年から比べて、実に9倍の価格となっている。

 現在の中景品である「0.1g金賞品」は、2013年頃に1000円の小景品として新導入され、こちらも値上げを繰り返し、現在4000円となっている。また、「1g銀賞品」は2024年に500円で導入された。

「2023年末に『0.1g金商品』が2000円に値上げされてからは、都内のホールでは一時的に換金できる最小単位が2000円になったこともありました。その後、2024年内に多くのホールで500円の『1g銀賞品』が導入されたことで、換金の最小単位が500円になり、余り玉問題も解消されたかに思われていたわけですが、そんな中でまた特使景品の値上げが続き、1000円単位での換金になってしまったという状況です」(藤井氏)

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