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大竹聡の「昼酒御免!」

【大竹聡の昼酒御免!】「うまい行きつけの店」が歩いて行ける範囲にある喜び 散歩がてらに訪ねたい東京郊外の静かな街の蕎麦屋

まずは蕎麦前の定番から注文

このふわふわがたまらない

このふわふわがたまらない

 しばし悩んだあげく、私は注文した。

「だし巻き玉子、それから、鴨つくね串をください」

 頼むそばから思わず顔がほころぶのが、自分でもわかる。だし巻き玉子は蕎麦前の定番だが、ここのだし巻きは、私の好物なのだ。

 ピリッとくる大根おろしに醤油をたらし、だし巻き玉子にのせる。ふわふわの玉子は内側がとろりとしていて、カツオ出汁が香る。なんともいえない、幸せな瞬間だ。

 酒は青森の田酒にした。これも、好きな銘柄だ。口当たりは柔らかく、フレッシュな感じもあって、その日の最初に飲む日本酒としては最適ではないかと思う。

 印象は軽く、穏やかだが、ひと口飲み下してみれば、じわりとうまみが滲み出てくる。これは、だし巻き玉子が与える印象も同じで、この店のだし巻き玉子と田酒を合わせたのは、正解だと思った。

 そこへ、鴨つくね串がやってきた。

上に乗ったカイワレがいいアクセントに

上に乗ったカイワレがいいアクセントに

 タレのかかった鴨のつくねに、カイワレ大根を上手にのせて口へと運べば、甘みと辛味がうまくからんだその中から、鴨のうまみが滲み出てくる。甘みと辛さと青い香りと肉のうまみが混ざり合って、溶けあう。そこへ、田酒を流し込む。堪えられない一瞬だ。

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