遺言書の作成も遅くならないように(イメージ)
日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳。つまり、80歳をすぎたら、否応なく万一に備える必要があるということだ。一方でそれさえ済ませれば、平均を超えた自分なりの特別な時間が始まるとも言える。
80歳をすぎたら、生活維持とともに気を付けたいのが財産の整理だ。相続対策を講じたうえで、「お金を使い切る」発想に切り替えたい。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏はこう言う。
「家族に残す分をあらかじめ把握することで、残りの資産を自身のために気兼ねなく使う計画が立てやすくなります。『どの財産を、誰に、どのように使ってほしいか』自分の考えを明確に意思表示する方法として、公正証書遺言があります」
公正証書遺言の作成には、財産額に応じて公証人手数料やその他費用などで数万円が必要になる。遺言書の作成を弁護士や司法書士に依頼すれば総額10万~15万円が必要とされる。そこまで費用をかけて家族に残すほど預貯金がない場合でも、できることはあるという。
「2020年7月から自筆証書遺言の保管制度が始まっています。保管の申請1件につき3900円の費用等、手数料がかかりますが、書式のチェックが受けられ適正に保管されるため、心強いかと思います」
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