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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「うわ、外道が釣れた。海に捨ててしまおう」なんてもったいない!ベラ・エソ・ヒイラギ…“嫌われ魚”を美味しく食べる方法【魚好きの食費節約術】

釣ったエソはかまぼこに

釣ったエソはかまぼこに

捨てるなんてとんでもない!

 漫画『美味しんぼ』には「メゴチの局長」という回があります。これは、普段のライバル関係はさておき、様々な新聞社の社員が参加する「釣り天狗同盟」の投げ釣り大会に、東西新聞の小泉鏡一・編集局長が参加する回。

 小泉氏は、投げ釣りで「200メートルだって軽い」とライバル社の人にホラを吹くも、実際は釣りの素人。その腕前を見るのを楽しみにされるも、素人なもので、投げられない。嘘をつかれたことに気付いたメンバーが呆れ、怒って自らの釣り場に戻る。そのうえで小泉氏はようやく釣れるも、釣れたのはキスではなくメゴチ。この釣りの会では「外道」扱いされる魚で、小泉氏は「あなたにはそれがお似合いだ」と嘲笑される。会員は皆メゴチを捨てると言います。

 しかし、主人公の山岡士郎と栗田ゆう子が捨てられそうになるメゴチを回収し、天ぷらにすると、皆メゴチの方がキスよりもおいしいと愕然とする。かくしてメゴチのウマさを気付かせてくれた小泉氏は、「釣り天狗同盟」のメンバーに入ることができたのです。

 というわけで、釣り人の一部は魚に対して偏見を持っている側面もあります。上で挙げたような嫌われ魚にしても、料理のやり方次第で十分ウマくなるし、それを捨てるなんてとんでもない! 以下、 私なりのおいしい食べ方を紹介します。

【ベラ】胴体だけを使い煮物・天ぷら
【エソ】これはカマボコ一択。高級カマボコに使われるだけあり、粘りが素晴らしい。小骨についてはやはり取るのは面倒なので、そこはエイヤッと骨のある部分は容赦なく切り落とせば捌くのは大変ではない
【ヒイラギ】塩で表面をこするとヌメリは取れる。頭を落としてバター焼きか唐揚げ
【ネンブツダイ】頭を落としてバター焼きか唐揚げ
【サッパ】実は岡山名物「ママカリ」の材料。頭と内臓を除き、皮をはいで塩と酢につけると、小肌やシメサバにも劣らないメシの友となる

キス釣りで掛かってくるヒイラギ

キス釣りで掛かってくるヒイラギ

 こうした魚を活用しているお陰で、私はこの4年間、魚を大量に食べているにもかかわらず、スーパー・鮮魚店での魚購入費は夫婦で年間1万円ぐらいだと思います。釣りをする以前は、年間10万円は使っていた。何しろ魚が好きなものでして。今買うのは、サンマとマグロと貝類だけです。私が住む唐津はイカもタコも獲れるので、それも店で買うことはありません。

 エサ代がかかるだろ? と思うかもしれませんが、魚をおびき寄せるヒラヒラがついたサビキ釣り(ゴム製のワームを着ければなおよし)であればエサ代はかかりませんし、エサ釣りをする場合でも、前に釣った小さいアジやサッパを冷凍し、細かく切って針に付ければ魚はバンバン釣れます。これが海の近くに住む者の食費節約術です。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は倉田真由美氏との共著『非国民と呼ばれても コロナ騒動の正体』(大洋図書)。

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