東京23区でも不動産価格は大きな開きがある(イメージ)
東京23区内の新築マンションの平均価格は、2023年に1億円を突破し(不動産経済研究所調べ)、依然として高水準にある。中古マンションも、新築に引きずられて価格が上がっていくので、同様に高騰している。庶民にとって現在のマンションは高嶺の花と思われがちだが、1億円超という金額は千代田区、中央区、港区などの超高額物件が引き上げているためで、同じ23区内でも実際には大きな“価格差”があるという。
「投資目的ではなく、実際に住むためにマンションを購入するのであれば、高騰している区・エリアを避け、各区に存在する“実需エリア”から中古のマンションを探すのもひとつの手です」
そう話すのは『東京23区中古マンション格差の地図帳』(宝島社)の著者で、不動産ジャーナリストの榊淳司氏である。
都心のマンションが高騰する理由
「都心部の超高額物件の購入者は、およそ3割が台湾、中国、香港等の外国人です。彼らは『東京の六本木にマンションを持っている』など、わかりやすいステータスを求めるので、誰もが知っている著名なエリアの物件を買っていて、それが都心部でここ2~3年、異常な高騰を引き起こしている要因となっています。一方で、たとえば世田谷区の三軒茶屋などは日本人には人気の街ですが、外国人はほとんど買っていない。海外で三軒茶屋という地名が知られていないからでしょう」(以下、「」内コメントは榊氏)
では、都心部とそれ以外の区では、中古マンション価格にどれくらいの差ができているのか。
