空前の「マンション価格高騰」に異変(イメージ)
空前の「マンション価格高騰」が続き、もはや“億ション”は珍しい存在ではなくなっている。不動産経済研究所の調査によると、昨年の東京23区の新築マンションは平均価格で1億3000万円台に突入。前年比21.8%の上昇を見せた。天井知らずに見える急騰だが、不動産業界の現場ではいよいよ、不穏な兆候が見え始めているという──。【全文】
「中古で3億円」も当たり前に
マンション市場は今、異様なまでの熱気を帯びている。端的に分かりやすいのが、都心の大型高級マンションだ。昨春に竣工した「三田ガーデンヒルズ」(港区・総戸数1002戸)は第1期分譲で3億8000万円台が最多価格帯だったが、1年経ってさらに高騰。中古物件としての販売価格は2LDK(約52平方メートル)で5億円台に達している。
今年11月に竣工予定の「ザ 豊海タワー マリン&スカイ」(中央区・ツインタワーで総戸数2046戸)は第1期分譲で「1LDK・7000万円台~」という価格が「サラリーマンも手が届く」と話題になったが、わずか1か月後の第2期分譲で価格が急上昇し、現在の最多価格帯は1億2700万円台となっている。
かつては高級物件を“億ション”と呼んだが、もはや都心では当たり前の存在となり、不動産経済研究所の調査によると、都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の新築マンション平均価格(2025年)は「2億円」目前の1億9503万円となった。1991年以来の高値だ。
首都圏・東京23区 マンション価格の推移
上のグラフの通り、都心の新築マンション価格はこの数年で急騰したが、背景には2022年春以降に進んだ「円安」がある。それにより建設コストの上昇に加え、海外からの「投資マネー」の流入を招いた。不動産事業プロデューサーで、『なぜマンションは高騰しているのか』(祥伝社新書)の著者・牧野知弘氏(オラガ総研代表)はこう指摘する。
「不動産調査会社・東京カンテイによれば、東京都では70平方メートルの新築マンション平均価格が住民の平均年収の17倍に達しており、あまりに現実離れしています。そうした価格形成になった原因は明らかに投資マネーです。居住用として購入したい人でも、値上がり益などを狙う投資マネーが流入する物件であれば、大きな影響を受けざるを得ない状況ということです」

