ケガの状態が心配される安青錦
3月29日の伊勢神宮奉納大相撲でスタートした春巡業。4月26日の埼玉・入間巡業まで29日間に27巡業が行なわれ、バスや電車での移動距離は3265キロに及ぶ。過酷な日程が続くなか、看板力士たちの動向をめぐって心配の声もあがっている。
巡業がタイトな日程となるのは、日本相撲協会が勧進元に興行権を販売する“売り興行”であるところに理由の一端がある。ある勧進元が明かす。
「相撲協会としては、巡業を詰め込むほど興行収入が大きくなる。契約金は平日が700万円、土日祝が900万円で、春巡業での相撲協会の実入りは2億700万円にのぼる。あとは集客や諸経費は勧進元に任せておけばいい。勧進元は契約金のほかに、250人分の宿泊費、土俵構築費、移動費、切符印刷費など450万円と会場費(2日間)を支払うかたちとなる。
勧進元が儲けられるかは溜席1万5000円、椅子席4000円のチケットを何枚さばけるかによるが、この相撲人気で完売間違いなし。横綱・大の里の地元の小松巡業では4500人を集客している」
過密スケジュールで休場者が続出
相撲協会は1巡業でも多く開催したいし、相撲人気で勧進元の申し込みも殺到する。過密日程となるうえに、土日から埋まっていくようなかたちで詰め込むため最短距離での移動は実現できず、さらに負担が増すこともある。
今回の春巡業でも京都府向日市から富山県氷見市に約324キロを移動し、長野県長野市、石川県小松市、愛知県安城市と、北陸地方と他の地方を行ったり来たりしながら連日200キロ以上の移動が続く。後半も靖国神社奉納大相撲のあと茨城県鹿嶋市→神奈川県横浜市→茨城県笠間市→埼玉県所沢市→栃木県宇都宮市→茨城県石岡市と1日100キロ以上になる。
厳しい環境のなか、巡業を休場する力士も少なくない。今回も右ヒジのケガを悪化させて春場所を14日目から休場した若隆景はじめ、美ノ海、阿武剋、伯乃富士、翠富士、時疾風、藤青雲、大青山、友風の9人が不参加。
巡業が始まってからも、大関の安青錦(左足小指骨折)、千代翔馬、朝白龍(ともに急性腰痛症)、義ノ富士(右鼓膜穿孔)、玉鷲(変形性腰椎症・腰部神経根症)で途中休場し、休場者は14人となった。春場所を左肩のケガで4日目から途中休場した大の里は初日から参加しているが、取組には参加していない。
