MBOが不成立でも株価上昇が期待できる?(写真:イメージマート)
購入した株が短期間で急騰し、大きな利益を確定――難易度は上がるが、そうした儲けのチャンスを狙い、モノにしている投資の達人もいる。彼らが注目するのが、株主対策の負担を減らして本業に集中したいなどと考えた経営陣が自社株を買い取る「MBO(マネジメント・バイアウト)」だ。なぜ、どのように儲けの好機につながるのか。
MBOのプレミアムは平均52%
上場企業の経営陣が自社株を買い取って上場廃止を目指す「MBO」が増えている。M&A助言のレコフデータによると、2025年のMBO件数は30件と前年の18件から7割増で過去最多だった。直近でも久光製薬やマンダムなど有名企業が相次いで実施している。
その背景について、30代で11億円の資産を築いている個人投資家のマック・チェリー氏が語る。
「東証が上場企業に資本の効率化を求めるなど市場改革を進めるなか、アクティビスト(物言う株主)から様々な要求が突き付けられ、経営がおぼつかなくなる企業が目立ち始めました。そうなると上場を維持して株主対策、株主還元に追われるよりも、MBOによる非上場化によって経営に専念したいと考える経営陣が増えているわけです。
またMBOで自社株を買い取る際、経営陣だけでは資金が足りない場合があり、それを支援するPE(プライベートエクイティ)ファンドが活発化していることも大きく、そうした流れから今後も増えると予想されます」
MBOで自社株を買い取る場合、投資家に対して株価に一定のプレミアムを上乗せした買取価格が提示されることが多い。それが「MBOを狙う最大の魅力」と資産2億円超の兼業投資家・なのなの氏が言う。
「東証の調べでは、MBOのプレミアムは平均52%と、TOB(株式公開買付)の平均40%台半ばを超える。MBOは狙ってもなかなか当たるものではないですが、大きなリターンが期待できる場合が多いのです」
