揉めない熟年離婚の切り出し方とは(イメージ)
厚生労働省「人口動態統計」(2024年)によると、「婚姻期間20年以上」の離婚割合は離婚世帯全体の4分の1近くに達した。1980年代の割合は5~7%、2000年代は約15%であり、年々増加している。熟年離婚問題に精通するフラクタル法律事務所代表の田村勇人弁護士が背景を解説する。
「人生100年時代、残りの時間を誰と過ごすか考え直すケースが増えました。特に子供が手を離れたタイミングで人生の後半戦を考え直し離婚を視野に入れる人が多い」(以下、「 」内は田村氏)
誰もが熟年離婚の当事者になり得るなか、いざその時が来ても慌てずスムーズに、損をしないための知識をQ&A形式で見ていく。【前後編の前編】
【Q】離婚の話し合いで気をつけるべき点は?
長く連れ添った夫婦だからこそ、お互いの性格や財産、周囲との関係に注意し、事前の準備をしておくことが重要となる。
「大切なのは離婚協議がもつれて家庭裁判所の調停や裁判に進むことまで想定し、十分に話し合った事実を作ることです。自分から離婚を切り出す場合はいきなり『離婚したい』と結論をぶつけるのではなく、まずは『こういうところを直してほしい』と不満な点を述べる。“協議する意思がない”とみなされると調停で不利になるため、誠意をもって話し合ったというアリバイを作ることが重要です」
話し合いを「記録」しておくことも欠かせない。
「必ず録音しましょう。特に相手が感情的になった様子を録音しておくと、調停時に“話し合いが通じない”とみなされてこちらが有利になる」
【Q】子供にはどう伝える?
熟年離婚といえども家族を巻き込むため、子供への根回しも重要だ。
「特に父親が注意すべきは母親を悪者にしないことです。母親を批判せず『お前たちとの関係は変わらない』と自分の心境だけを伝え、子供を安心させることが肝要です」
