“再統合”への道はあるのか(本田技研工業の三部敏宏・社長=左、日産自動車のイヴァン・エスピノーサ社長/時事通信フォト)
2025年2月に経営統合が破談となった日産とホンダの明暗が分かれている。赤字が圧縮されて業績が改善した日産に対し、ホンダは2025年と2026年度の2年間で計2兆5000億円の巨額損失が発生する見通しに。経営統合交渉が破談になった当時とは両社が置かれた状況は変化した。
中国のBYDの台頭や自動運転の開発競争など、激変する外部環境が両社に再び決断を迫っている。米テスラや中国ファーウェイが技術革新を主導し、さらにメガテック企業を巻き込む分業化が加速するなか、過去の遺恨を越えた大再編は実現するのか。ジャーナリスト・井上久男氏がレポートする。【全3回の第3回】
ホンダと日産の連携による開発コストの削減
ホンダが反転攻勢に打って出るための一つのカギが、日産との連携強化になるのではないか。30年近く自動車産業を取材してきた筆者とすれば、商品・技術の補完性や収益源である米国での協業などによりシナジー効果は大きいと考えているからだ。両社の経営の内実を知ると、こういった視点も見えてくる。
AIとの融合領域では莫大な開発投資が必要になる。日産が先行する自動運転領域にホンダが加わることで両社の開発負担は減るだろう。また、日産は本格的なハイブリッド技術を、米国市場をターゲットに開発するが、その領域ではホンダはトヨタ自動車に次いで高い技術力を持つ。ホンダの技術を日産が使えば、ここでも開発コストを抑制できる。
2024年12月に両社が経営統合交渉入りを発表した際に、統合すれば営業利益を1兆円押し上げる可能性が示されていた。それは今でも変わらないはずだ。
