自身の投資法を小学生の子供でも学べるように考案した「パパ証券」とは(イラスト:わちムシ)
1000万円を元手に始めた株式投資で運用資産5億円を築いた個人投資家・某哲也さん。彼を“億り人”に導いたのは「高配当収益バリュー株の分散型長期投資」だった。この投資法を小学生の子供でも学べるように考案したのが「パパ証券」という。
「パパ証券のルールはシンプルです。単に貯金をするだけでは何も学びがないので「貯金をしたときに、貯金した額だけバーチャルで株を買ったことにする」という仕組みです」(某哲也さん)
実際に自分の娘に小学1年生から実践させた結果、どのような効果があったのか。
自身の投資法や「自分の子供には幸せな人生を送ってほしい」と願う親に向けて金融・投資の教育方法を公開した著書『学校では教えてくれない、人生の「期待値」の考え方 5歳から始める金融・投資の勉強法』(パンローリング)より一部抜粋・再構成して紹介する。
私と同じで、娘にもあまり物欲がない
私の娘の場合、小学1年生の4月から毎月500円のおこづかい制度を始め、子供名義の銀行口座も一緒に作りに行きました。小学生になる前にもらったお年玉もすべてその口座に入れました。
ところが、娘にはほとんど物欲がありません。たまにイオンなどに出かけたときにガチャガチャをやる程度で、おこづかいもほとんど使わず貯める一方でした。
私としては、おこづかいの範囲で欲しい物を買ったり、自由に使ったりしてほしいと思っていました。しかし、私自身も子供のころから物欲がないタイプでしたので、娘の気持ちもよくわかりました。
貯める楽しさを倍増させる「パパ証券」
あるとき「お金、どんどん貯まってるけど、ゲームとか好きな物を買ってもいいんだよ?」と聞くと、「今は別に欲しいものはないし、お金が増えていくのが楽しい」という答えが返ってきました。
おこづかい制度は「お金をうまく使う経験をすること」も目的のひとつとして始めたものでしたが、こればかりはその子の性格によるものですから、無理に使わせることもできません。
ただし「ケチで使わない」わけでもありませんでした。私の誕生日には、おこづかい500円を超えるようなコーヒーのおつまみを買ってプレゼントしてくれたり、お菓子を買うときにお兄ちゃんの分まで自分のおこづかいで買ってきてくれたりするからです。
それでも、このままでは娘はお金を使わず貯金に回してしまい、いわば“無駄な貯金”が増えていく一方でした。もちろん常に金欠で浪費するよりははるかに良いのですが、「この貯金をどう活かせばいいのか」と考えるようになりました。そして熟考の末、「貯めるのが楽しいのならいっそのこと貯める楽しさを倍増させよう」と思いついたのが「パパ証券」だったのです。
「パパ証券」のステップ
パパ証券の概要は、以下の通りです。
◎娘が銀行に貯金をした瞬間、その額と同じだけの高配当株をバーチャルで買ったことにしてエクセルに買値などを記録する。
◎高配当株は私の監視銘柄リスト(私のブログに載っている銘柄)から私が選ぶ。
◎買った株が配当月を迎えたら、毎月500円のおこづかいにプラスして配当金をあげる。
◎TOB(株式公開買付)などの上場廃止の場合は株を売却したとして新たな高配当株に入れ替える。
◎私の監視銘柄から外れてしまった銘柄は、お年玉を貯金するタイミングで売却して銘柄を入れ替える。
以上、パパ証券のルールはシンプルです。単に貯金をするだけでは何も学びがないので「貯金をしたときに、貯金した額だけバーチャルで株を買ったことにする」という仕組みにしました。
例えば、「おこづかいとお年玉で貯まった1万円」を貯金したときに、そのタイミングで一番割安な会社の株価が1000円だったとしたら、「1株=1000円と仮定して、10株買う」というイメージです。
パパ証券の実例(『学校では教えてくれない、人生の「期待値」の考え方 5歳から始める金融・投資の勉強法』より)
貯蓄とは別に「投資」という資産形成の方法をパパ証券によって学んでほしい、「優良な高配当株を長く持つ経験」と「配当金による複利の効果」を体験してほしい、という狙いがあります。
書籍執筆時の2025年時点で、娘は小学5年生ですので約4年間のデータしかありませんが、全体的に見れば保有株の含み益は増えています。TOBによる上場廃止や監視銘柄からの陥落で売却した益も含めれば、ただ貯金しておくよりも73.4%増えています。さらに、配当金として1万6491円を渡しています。それを加えるとトータルで83.4%増となっています。
パパ証券の実例(『学校では教えてくれない、人生の「期待値」の考え方 5歳から始める金融・投資の勉強法』より)


