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古賀真人「発掘!好決算銘柄」
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JX金属「2500億円CB発行」で株価急落、市場は株価4860円を“強固な上値抵抗線”として意識 会社が込めた“成長への意志”をどう読み解くか《億り人・古賀真人氏が分析》

JX金属が開業した「ひたちなか新工場」(写真:時事通信フォト)

JX金属が開業した「ひたちなか新工場」(写真:時事通信フォト)

 AI関連需要を追い風に、2026年3月期で大幅な増収増益を果たしたJX金属(東証プライム・5016)。株価も上場来高値を更新する勢いを見せていたが、決算発表後、一転して株価は急落した。市場はなぜこのような反応を見せたのか。今後はどのような株価推移を目指すのか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。

AI需要を追い風に過去最高益、株価も上場来高値を記録

 JX金属の直近の株式市場における動向は、国内外の多くの投資家の耳目を集めている。AI関連需要の急激な拡大を追い風に圧倒的な好業績を叩き出し、株価も上場来高値を更新する破竹の勢いを見せていた同社であるが、決算発表と同時に公表された大規模な資金調達策を機に、株価は大きく下落した。

 今回は、この一連の株価変動の背景にある決算内容、ファンダメンタルズを示す財務指標の現状、そしてユーロ円建転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行条件とその資金使途について、多角的な視点から分析したい。

 まず、同社の直近の業績動向について確認する。2026年5月11日に発表された2026年3月期の通期決算は、事前の市場予想を凌駕する目覚ましいものであった。同決算において、売上高は8846億円と前期比で23.7%の大幅な増加を示し、本業の儲けを示す営業利益は1750億円と同55.5%増という素晴らしい増収増益を記録した。純利益についても1046億円と同53.3%の大幅増益となっている。

 この成長を牽引しているのが、世界を席巻する生成AIの普及に伴う関連需要の拡大である。同社が圧倒的なグローバルシェアを誇り、強みとする半導体材料事業において、先端半導体向けに不可欠な半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔などの主力製品が飛躍的な伸びを見せた。加えて、データセンター網の拡張やクリーンエネルギーシフトに伴う世界的な銅価の上昇も業績を底上げする要因となっていた。

 こうした好業績を背景に、同社の各種株価指標はどのような水準にあるのか。

 株価が急落した直後である2026年5月18日の終値4050円を基準に算出すると、PERは約35.8倍となる。東証プライム市場における非鉄金属セクターや市場全体の平均的な水準と比較すると明らかに割高感があるものの、これは同社の半導体関連ビジネスに対する市場の成長期待、すなわちAIというメガトレンドに対する素材供給のボトルネックを握る企業としてのプレミアムが株価に織り込まれていることがわかる。また、PBRは約5.16倍と、こちらも企業の持つ解散価値を大きく上回る高い評価を受けている。企業の稼ぐ力を示すROEは約14.4%に達しており、優秀な資本効率を誇っているといえよう。

次のページ:好決算でも株価急落、市場が嫌気した2500億円CBの発行

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