売上高の「悪い増え方」は何が違うか(イラスト:イメージマート)
企業の売上高から経営状況や事業規模を把握できる。では、「売上高が増えていれば、その企業は好調」と判断してもよいのか? 音声メディア「voicy」で配信する「10分で決算が分かるラジオ」が人気の「妄想する決算」氏は、「売上高にはいい増え方と悪い増え方がある」と指摘する。売上高の悪い増え方とは? 若手会社員・一ノ瀬君との会話形式で構成される妄想する決算氏の新著『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』(高橋書店)より一部抜粋・再構成して、その代表例を紹介する。
「売上高だけを伸ばす」のは難しいことではない
妄想さん:ところで企業にとって「売上高が増えること」はすばらしいことだと思いますか?
一ノ瀬君:当然そうじゃないの? 売上高が増えているってことは製品やサービスがこれまでより売れているってことだからね。成長は大切だよ。
妄想さん:なるほど。たしかにそんな気がしますね。
では、売上高を伸ばすこと自体は難しいことなのでしょうか? たとえば今日起業したとして、「今月中に1億円の売上を作ってください」と言われたら、どう思いますか?
一ノ瀬君:1億円なんて無理だよ。すごい起業アイディアでも思いついているならともかく。急に言われても無理!
妄想さん:じつは、「売上高だけを伸ばす」のは難しいことではありません。
一ノ瀬君:え、どういうこと?
妄想さん:たとえばパソコンを大量に仕入れ、売れるまで広告費を無尽蔵に使い続ければ、売上高という数字はいくらでも作れます。
一ノ瀬君:それはずるいよ! それだと赤字になるでしょ。赤字で販売するなんて意味ないじゃん。
妄想さん:そんなことはありません。赤字でも製品やサービスを売っている企業はいくらでもあります。今回はパソコンを例に出したのでわかりにくかったかもしれませんが、たとえばフリマアプリで有名なメルカリも、過去には広告費で大きな赤字を出しながら事業を拡大させていた時期がありました。
一ノ瀬君:なんか、その話聞いたことあるかも。
