「負債」と「自己資本」の違いは?
妄想さん:ところで、先ほど自己資本について考えるための、いい視点が一ノ瀬君から出てきました。投資をする側はリターンを求めているという話です。
一ノ瀬君:え、当たり前じゃない?
妄想さん:ちょっと復習ですが、負債と自己資本でどんな違いがあったでしょうか?
一ノ瀬君:負債は返す必要がある。自己資本は返す必要がない。だからこそ、「自己資本の比率が高いほうが安全性が高い」っていうのが自己資本比率の話でしょ。さんざん話してきたじゃない。
妄想さん:返す義務という企業側の視点ではそのとおりです。しかし、株主は投資にリターンを求めているわけです。となると自己資本(株主資本)は返す義務はないものの、そのお金を使う以上、投資家の期待に見合うリターンを出す必要性があるということです。
一ノ瀬君:まあ、それはそうか。
妄想さん:基本的には「お金を貸すこと」より、投資のほうがハイリスクです。だから、求められているリターンも借入れの金利より高くなります。投資のほうがローリターンであれば、投資家も国債や社債などの安全性の高い債券を買えばいいはずですよね。
一ノ瀬君:そうだね。国債や社債のほうが安全だもんね。
妄想さん:お金の返済といった視点だけで見てしまうと、負債は返済義務があり、自己資本は返済義務がないので、自己資本のほうが明らかに優れた資金調達の手段に見えます。しかし、これは義務がないというだけの話なんです。出すべきリターンに関しては、自己資本のほうが高いということになります。
一ノ瀬君:たしかにリスクを取っている投資家(株主)のお金だもんね。株主から高いリターンは求められるよね。
※妄想する決算・著『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』(高橋書店)を元に一部抜粋して再構成
【プロフィール】
妄想する決算/1990年福島県生まれ。コンテンツクリエイター。投資に関するコンテンツは数多くあるが、決算書からビジネスモデルを紐解くコンテンツが少ないと感じ、音声メディア「voicy」で「10分で決算が分かるラジオ」を配信開始。上場会社が出す決算の1次情報とメディアから出てくる2次情報の中間1.5次情報を10分にまとめた内容で人気に。番組の総再生回数は870万回を超える。「ForbesJAPANクリエイター100」に選出。今は、海外や日本を転々としながら、Voicyを週に5日更新しつつ、日興証券フロッギー、楽待など、web媒体での連載も多数。2026年3月、『数字から企業の「リアル」がわかる! 未来を読み解く決算書』(高橋書店)を出版。
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