「遺品整理」にはない「生前整理」のメリット
――なかなか捨てられない、片付けられないのに、いざものがなくなるとスッキリする心理は不思議でもあります。
柴田:物置やタンスの引き出しなどに、もう何年も人の目に触れていないものが眠っているというのは、多くの人の家でよくある話です。僕はそういうものを、ご本人が生きているうちにもう一度取り出して、整理しておいたほうがいいと思っていて。
たとえばお子様がいるならお子様と一緒に、「これはあなたが小さい時に着ていたやつだ」「これは中学校の時の……」というように、もう一度思い出されることで、モノ自体が役割を終える気がしているんです。それをみんなで思い出す時間が尊いというか。それは生前整理でしかできない。
――「生前整理」は、「遺品整理」とは違う性質があるんですね。
柴田:遺品整理だと、残された側が「あぁ、こういうことあったな」と一方通行になってしまいます。僕は「こういうことがあったね」とか、家族で話す時間があるのはすごくあたたかくていいなと。相続にあたっても、生前整理をやっておいた方が確実にスムーズにいく。
もちろん、喧嘩になる場合もありますよ。たとえば「この日までに家を出ないといけない」と決まってから行う家族での生前整理って、絶対お子さん側がピリつくんです。「捨てなよ、そんなの。時間がないんだから」って。だからこそ、ゆっくり時間をとれる時に生前整理をすることで、気持ちも穏やかに進められるし、家族をずっと見守ってきた家やその歴史が報われるな、と感じるんです。
【プロフィール】
お片付けブラザーズ/太田プロダクション所属の落合隆治(ぐりんぴーす)と柴田賢佑(六六三六)が共同代表を務める、片付け・不用品回収を行うプロジェクト。2024年に、事務所の先輩・滝沢秀一(マシンガンズ)が手掛ける「ごみプロジェクト」の一環として立ち上げ。“楽しい笑顔のお片付け”をモットーに都内・関東近郊を中心に活動中。柴田賢佑の著書『ごみ屋敷ワンダーランド ~清掃員が出会ったワケあり住人たち~』(白夜書房)が好評販売中。