リクルートで培った「因数分解」の考え方
――インテリジェンス、楽天、U-NEXTで活躍した島田さんが、リクルートで学んで役立ったことは何ですか。
島田:私はいつも、事業を因数分解するんです。「この事業はどういう構成で利益を生んでいるのか」と、様々な要素を一度バラして考え直すのです。
例えばUSENという会社は、店舗に「音楽(BGM)」を売っているわけです。営業マンが開拓するのは「新規の店舗」か「まだ音楽を流していない店舗」。BGMの営業ならば開店の2週間前に行っても開店までにサービス開始が間に合うので、営業マンはだいたいそのタイミングで店舗に行きます。
一方、通信やWi-Fiも取り扱っていますが、こうした商材は店のインフラなので開店2週間前では間に合わず、店のオーナーはもっと早く発注を済ませてしまっている。BGMの営業とはタイミングが違う訳です。開店2週間前ではなく、4か月前に開店の情報を補足してオーナーさんにアプローチすれば、音楽も通信もWi-Fiの契約も取れる。そのためには「2週間前に訪問」となっているUSENの営業プロセスを見直さなくてはならない。例えばこれが私の言う因数分解です。
私もそうでしたが、リクルートでは新人の時からクライアントの社長と一緒に、その会社が成長するための採用戦略を考えたりします。経営者の考え方が身につき、知らないうちに事業を因数分解するようになるんですね。
▼▼▼前編記事▼▼▼
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【PROFILE】
大西康之/ジャーナリスト。1965年生まれ、愛知県出身。早稲田大学法学部卒業後、日本経済新聞社に入社。欧州総局(ロンドン)、編集委員、「日経ビジネス」編集委員などを経て2016年4月に独立。著書に『稲盛和夫 最後の戦い――JAL再生にかけた経営者人生』『会社が消えた日――三洋電機10万人のそれから』(いずれも日経BP)、『ロケット・ササキ――ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正』(新潮社)、『東芝 原子力敗戦』(文藝春秋)、『起業の天才!――江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』(新潮文庫)、『最後の海賊――楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』(小学館)など。最新刊は『修羅場の王――企業の死と再生を司る「倒産弁護士」142日の記録』。